腸内細菌が関わっていることが判明している病気にはどのようなものがありますか?

「関連性のあるもの」まで含めれば枚挙にいとまがありません。IBDはもちろん、過敏性腸症候群(IBS)にも腸内細菌叢の変化が関係することがわかってきました。他にも、パーキンソン病、自閉症、うつ病、多発性硬化症などの脳の病気にも腸内細菌叢が関係していると考えられています。腸と脳が密接なつながりを表す「腸脳相関」という考え方は最近広まりつつあるので、ご存じの方も多いと思います。

さらに、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症などアレルギー疾患の発症にも腸内環境が影響していると考えられています。例えば、帝王切開で生まれた子どもはアレルギーになりやすいことがわかっていますが、これは、帝王切開で生まれた時に腸内環境の確立が遅れてしまうことが原因だと言われています。

このように、さまざまな病気と腸内環境との相互関係がわかってきています。また、これらの考え方をベースに、最近では「腸を健康にすることで脳疾患を治療する」「幼い頃から腸内環境を整えて将来の病気の予防につなげる」といった研究が進んでいます。

(IBDプラス編集部)

石川大先生
順天堂大学 消化器内科 准教授
石川大先生
2001年 岩手医科大学医学部卒業、順天堂大学医学部附属順天堂医院研修医
2004年 順天堂大学医学部消化器内科学講座入局
2009年 米国Case Western Reserve University, IBD Research Center留学
2011年 順天堂大学大学院医学研究科修了博士(医学)
2011年 順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科学助教
2014年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座助教
2016年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座准教授

〈資格・所属学会〉
医学博士
日本内科学会(認定医)
日本医師会(認定産業医)
日本消化器病学会(専門医・指導医)
日本消化器内視鏡学会(専門医・指導医)
日本炎症性腸疾患学会
消化器免疫学会
国際粘膜免疫学会
日本消化器病学会(関東支部評議員)

この記事が役立つと思ったら、
みんなに教えよう!

閉じる
レシピ特集
レシピ特集をみる