ウイルス感染は腸内細菌に影響を与えますか

与えます。新型コロナウイルスの研究が進む中、コロナウイルスが体内に侵入すると、IL-6、IL-17というサイトカインが急速に活性化し、腸内細菌叢に影響を与えることがわかっています。これにより、腸内環境を整えることが新型コロナウイルス感染症の予防につながる可能性が示唆されています。

風邪やインフルエンザにかかると、熱や咳だけでなく、IBDの症状も急激に悪化することがあります。これは、身体が免疫を活性化させて未知のウイルスを排除しようとするためです。免疫全体が活性化することにより、腸粘膜に対する自己免疫が過剰になり、ウイルス感染が潰瘍性大腸炎の症状を悪化させる可能性があります。

さらに、コロナウイルスが体内に侵入することで、免疫だけでなく腸内環境も変化し、病状が悪化するメカニズムも明らかになってきました。これはIBD患者さんに限らず、新型コロナ感染によりお腹の調子が悪くなる人がいることからもわかります。特にIBDの患者さんであれば、再燃や悪化につながると考えられます。

(IBDプラス編集部)

石川大先生
順天堂大学 消化器内科 准教授
石川大先生
2001年 岩手医科大学医学部卒業、順天堂大学医学部附属順天堂医院研修医
2004年 順天堂大学医学部消化器内科学講座入局
2009年 米国Case Western Reserve University, IBD Research Center留学
2011年 順天堂大学大学院医学研究科修了博士(医学)
2011年 順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科学助教
2014年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座助教
2016年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座准教授

〈資格・所属学会〉
医学博士
日本内科学会(認定医)
日本医師会(認定産業医)
日本消化器病学会(専門医・指導医)
日本消化器内視鏡学会(専門医・指導医)
日本炎症性腸疾患学会
消化器免疫学会
国際粘膜免疫学会
日本消化器病学会(関東支部評議員)

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