島根・鳥取県に若い年代のIBD患者さん向けの患者会を―「山陰若者IBDグループ」立ち上げまでの軌跡

中国・四国のイベント2019/12/3

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山陰若者IBDグループは、島根県、鳥取県の若い年代のIBD患者さん向けに、部長の「たにちゃん」と、副部長の「ぽめちゃん」が2019年8月15日に立ち上げた患者会です。クローン病のたにちゃんとぽめちゃんは、SNSで出会い、やり取りを重ねる中で、二人とも島根県に住み、趣味も一緒で、同じ病院に通院しながら同じ医師に治療を受けているということが発覚…!思わず「ミラクルかな?(笑)と思った」という奇跡の出会いだったそうです。

友達には言いづらい、“IBDあるある”の話や、患者さん同士だからできる悩み相談、その他、他愛ない話も気軽に話せるような居場所作りを目指して活動をしているという山陰若者IBDグループ。今回は、たにちゃん、ぽめちゃんに、グループ立ち上げまでの経緯や今後の活動について、詳しくお話を伺いました。

クローン病になって悩んだ時期も…同年代の患者さんとの出会いが力になった

――お2人は、20代後半~30代ですよね。山陰地方で同年代のIBD患者さん向け患者会を設立しようと思ったのは、どのようなことがきっかけでしたか?

たにちゃん: 近場で、若い世代の患者さんたちの交流の場をつくって、患者さんたちの居場所をつくりたいなと思ったのがきっかけです。これまでも、地元で開催されるIBD患者さんや家族の集いに足を運んだ経験は何度かありました。でも、同年代の方とは出会えたことがなくて…。病院で、診察待ちの患者さんに声を掛ける勇気もありませんでした。だから、山陰地方で、自分と同世代のIBD患者さんの居場所をつくろうと思ったんです。

 また、私とぽめちゃんにとって、島根県内のクローン病患者さんの知り合いは、お互いに初めてでした。近くに住んでいたこともあり、気付けば、お互いに体調が良いとよく一緒に遊びに行くほどの仲良しに。ぽめちゃんは、私の味方であり、理解者であり、たくさんの力をもらえる大切な存在です。私は、クローン病になってから、さまざまな事情によって殻に閉じこもっていた期間がありました。ぽめちゃんとの出会いが無かったら、私は今も殻に閉じこもったままだったかもしれません。山陰地方の若い年代のIBDさんたちの交流が広がることで、少しでも私のように悩んでいるIBD患者さんの力になれたらと思っています。

ぽめちゃん: 私も、島根県の患者会には自分と同年代の患者さんが少ない、と聞いていたので、「もっと同年代の患者さんが交流できる場をつくりたい」と思いました。この活動を通じて、若い年代のIBD患者さんと悩み相談ができたら嬉しいです。

――山陰若者IBDグループの立ち上げで大変だったことはどのようなことですか?

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たにちゃん: どんな風に活動していくか、どうやってメンバーを集めるか、どうやって山陰地方の若い年代のIBD患者さんにこの活動を届けるか…など、かなり悩みましたし、初めてのブログ立ち上げも試行錯誤が必要で大変でした。2人で活動を決めてから実際にグループを立ち上げるまで、半年以上話し合いました。お互いに体調が悪かった時期があり、思うように話し合いを進められなかったときもありましたが、何とか立ち上げることができました。

 また、私たちには「手書きで文字を書く」という共通の趣味があります。2人の“好き”を活かした、グループのチラシも、全て手書きです!今後は、このチラシをどのように配っていくかが、課題のひとつだと思っています。

同世代のIBD患者さんとの交流、「自分は一人じゃない」と勇気づけられることも

――現在のメンバーについて教えてください。

ぽめちゃん: 現在は、私たち2人を含め計6人で活動しています。Twitterを通して知り合ったメンバーや、私たちの活動をTwitterで知り、参加してくれたメンバーです。

たにちゃん: 年代で見ると、20代の患者さんが多いですね。募集しているメンバーの年齢層は、10〜40代の方としています。

――活動を開始して良かったと思うエピソードはありますか?

ぽめちゃん: メンバーとはLINEグループを作ってよくお話ししているのですが、LINEで気軽に、いろいろな病気の相談ができることが嬉しいですね。

たにちゃん: IBDにまつわる「こんな時どうしてる?」なんてことも、聞きやすいですよ。

ぽめちゃん: あとは、みんな近くに住んでいるので、安心感もあります。島根県と鳥取県在住のメンバーなので、IBDとは関係ない地元トークなんかもできます(笑)。

――他のIBD患者会と比較した際の、山陰若者IBDグループの特徴について教えてください。

ぽめちゃん: 募集しているメンバーの年齢層を10〜40代に絞っていることです。この年代ならではの悩みも気軽に相談しやすいような、そんな場所にしたいと思っています。

たにちゃん: メンバーを「IBD患者さん本人限定」としていることも特徴ですね。最初は、患者さんの家族を募集することも考えたんですが、当事者同士でしか話せないような悩みもあると思ったんです。だから、このグループは、IBD患者さん本人のみをメンバーとして募集しています。

――若い年代の患者さん同士でのコミュニケーションでは、どんな話題が多いですか?

たにちゃん: 特に多いのは、これからのグループの活動についての話や、「今チラシ作ってます!」などの現状報告ですかね。その他は、IBD治療で用いられる薬の使い方や相談や、治療などにかかるお金の話なんかも、リアルに話していますよ。

――若い年代の患者さん同士でコミュニケーションをとることで良かったと思う瞬間は、どのようなときですか?

たにちゃん: Twitterでは多くの同世代の方と交流があって「嬉しいな」と思うことがあるんですが、その嬉しさとは別の嬉しさがありますね。近くに住んでいる、同世代の同じIBD患者さんの存在はとてもありがたいです。「私は一人じゃないんだな」と思えて、それだけで勇気づけられることもあります。

ぽめちゃん: 私は、同世代にしかわからないような悩みを話すことができるので、ありがたいなと思っています。近くに住んでいる仲間と悩みを共有できるのは嬉しいです。

メンバーでのオフ会・交流会などのイベント開催を検討中

――今後、どのような患者会活動を行っていきたいですか?

たにちゃん: 山陰若者IBDグループの、LINEでの気軽なお話は続けていきたいですし、ゆくゆくはメンバーでのオフ会・交流会といったイベントの開催や、不定期のブログ更新などを考えています。

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 また、今はメンバー募集を、ブログやSNSなどを通じて行っていますが、IBD患者の仲間の力も借りたり、2人で作成したチラシを配ったりして、1人でも多くの山陰若者IBD患者さんにこの活動を届けていきたいです。

――別の地域で、患者会を新たに立ち上げたいと考えている同じIBD患者さんへのメッセージをお願いします。

ぽめちゃん: 大変なこともあると思いますが、自分に合った患者会を作ることで、IBDの悩みを相談することはもちろん、素敵な出会いがあると思います。ぜひ仲間を見つけて、立ち上げを頑張ってくださいね。

たにちゃん: 私も、最初は頭の中でぼんやり描いていた夢を、ぽめちゃんに話したことから全て始まって、一緒に立ち上げることになりました。ぽめちゃんに話していなかったら、今こうやって活動できていないと思いますし、夢のままで終わっていたと思います。

 患者会を立ち上げるには、難しいこともたくさんあると思うし、悩むことも多いと思いますが、チャレンジすることに意味があると思うんです。だから、私も「やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい」という気持ちで始めました。自分に合った、自分らしい活動をして欲しいと思います。

――山陰若者IBDグループへの参加を検討している患者さんへのメッセージをお願いします。

ぽめちゃん: もし、病気への不安や悩みを抱えている方がいれば、一人で抱え込まずに一緒に乗り越えていきましょう。みんなとても気さくなメンバーなので、気軽に参加してもらえたら嬉しいです。

たにちゃん: 周りの人には話せない悩みも、それ以外の他愛のない会話も、ここなら安心して話せますよ。「自分は一人じゃない」と感じてもらえるような居場所作りを目指しています。一緒に、素敵なグループを作りましょう。

たにちゃん・ぽめちゃん: 山陰地方にお住まいの、若い年代のIBD患者のみなさん、参加をお待ちしています!!!!!

(IBDプラス編集部)

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