「腸内細菌叢移植療法」が今後もっと手軽に行えるようになったら、病気を治す以外にどんなことに応用できると思いますか?

手軽に行えるようになれば、病気を治すというより「未然に防ぐ」という方向に進んで行くと思います。例えば「花粉症」とか「食物アレルギー」などと言われるものは体質などと呼ばれていますが、実際腸内細菌叢を変化させることで変えられるかもしれません。「太りやすい体質」なども、腸内細菌の代謝を変化させることができれば変えられる可能性があります。さらにはいろいろな病気が「未病」の段階で防げるようになるかもしれませんね。 腸内細菌叢移植療法は、今はまだ内視鏡で行う必要があり、専門病院での実施に限られていますが、カプセル投与など他の方法で安全に行うことができれば、もっといろいろな施設で行えるようになるかもしれません。そうなれば、治療だけではなくヘルスケアとしての活用も可能だと思います。

(IBDプラス編集部)

石川大先生
順天堂大学 消化器内科 准教授
石川大先生
2001年 岩手医科大学医学部卒業、順天堂大学医学部附属順天堂医院研修医
2004年 順天堂大学医学部消化器内科学講座入局
2009年 米国Case Western Reserve University, IBD Research Center留学
2011年 順天堂大学大学院医学研究科修了博士(医学)
2011年 順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科学助教
2014年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座助教
2016年 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科学講座准教授

〈資格・所属学会〉
医学博士
日本内科学会(認定医)
日本医師会(認定産業医)
日本消化器病学会(専門医・指導医)
日本消化器内視鏡学会(専門医・指導医)
日本炎症性腸疾患学会
消化器免疫学会
国際粘膜免疫学会
日本消化器病学会(関東支部評議員)

この記事が役立つと思ったら、
みんなに教えよう!