【IBD食事のキホン】食べ物の添加物、どこまで気にすべき?

ライフ・はたらく2022/12/22

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ゼリー

「IBDレシピ」でおなじみ、管理栄養士のIzumi Ohbaさんに、食事や栄養に関するさまざまなギモンにお答えいただきます。今回は、「全部気にしていたらキリがない…一体どうしたらいいの?」という声も聞かれる食品添加物について、IBD患者さん向けという観点も交えながら伺いました。

ポイントまとめ

  • 野菜の色素やビタミンの酸化防止剤にはそこまで神経質になる必要はない
  • 両名表記には注意
  • FODMAPと言われる糖分は取り過ぎるとおなかがゴロゴロしやすい
  • 糖アルコールはおなかがゆるくなりやすいので注意

Q:食べ物の添加物、どこまで気にすべき?

食品添加物を使用しないと、場合によっては食べ物が腐りやすくなる可能性もあり、傷んだ食べ物を食べることにより別の健康被害リスクが生じる可能性があります。

それに、今はどこのメーカーも消費者の皆様が添加物を気にされるので、昔のような添加物は使われていないことが多くなっています。

食品添加物の安全基準は、ラットやマウスなどの動物実験で、食品安全委員会や国際的な機関が無害と確かめた量(無毒性量)の通常100分の1の量を、毎日食べ続けても安全な量を1日摂取許容量としています。さらに、使用基準は、1日摂取許容量よりずっと少なくなるように定められています。

どうしても心配な方は、一度、食品添加物について学んでみるのも良いと思います。食品添加物は、現在400種類以上のものが使用されています。指定添加物とか天然添加物とか、種類もいろいろありますよ。例えば、赤いカニカマを見て不安に思う方がいるかもしれませんが、今はトマト色素やパプリカ色素、紅麹で着色されています。野菜が原料だと知ると、そこまで心配なさそう思えますよね。酸化防止剤も今は多くがビタミンEやビタミンCを使っています。

それでも食品添加物が気になると言われる方は、食品表示で表示される食品添加物の見方を学び、食品添加物をチェックしてみてはいかがでしょう。

食品添加物の中には、消費者が気にする食品添加物は、両名表記で表示されています。両名表記とは、保存料(ソルビン酸)などのように使用目的と成分名の両名が表示されているものです。

両名表記の食品添加物は、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤です。みなさんも気にされる食品添加物は、この両名表記のものが多いのではないかと思われます。

また、食品添加物の表示は、使用する量が多い順に表示する決まりになっているので、「最初の方に書かれているものに両名表記のものがいくつあるか」という観点で見るのも良いかもしれません。全て避けようとするとキリがありませんからね。

あとは、FODMAP(フォドマップ)と言われている糖分を取り過ぎるとおなかがゴロゴロしやすいです。特に、清涼飲料水などで使われる異性化糖(ブドウ糖・果糖液糖)がたくさん入っているものですね。これらはトウモロコシを加工して作った甘味です。これ以外で注意した方が良いのは、キシリトールやソルビトールなどの糖アルコールと呼ばれるものです。増粘多糖類と同じように、おなかを通過するだけなので、おなかがゆるくなりやすいですね。IBD患者さんは取り過ぎない方が良いと考えます。

※患者さん個々人の状況によって食べられるもの・食べられないものが大きく異なるため、記事の内容が全員に該当するわけではありません。医師や栄養士など、専門家によく相談しましょう。

(IBDプラス編集部)

監修者プロフィール

栄養士のプロフィール

管理栄養士

Izumi Ohba

病院栄養士、調理師養成専門学校教員などを経て、現在は介護福祉施設栄養士。家族がIBD患者。得意分野は嚥下調整食。簡単で、すぐできて、おいしいレシピ作りを心がけています。彩り豊かで楽しいお食事を!!

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