【はたらく番外編】女性トイレ研究家に聞く!空いてるトイレの探し方、快適に過ごす方法は?

仕事・はたらく2022/10/11

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IBD患者さんにとって、大きな心配のもととなるのが「トイレの問題」です。仕事などで土地勘のない場所に行った時のトイレの探し方はもちろんのこと、リモートワークが多くなった今は、自宅のトイレを少しでも快適な空間に変えたいという人も多いはず。そこで今回は、過去にTBS系テレビ番組『マツコの知らない世界』にも登場した女性トイレ研究家の白倉正子さんに、家でも外でもトイレを快適に使うためのコツを伺いました!

トイレから世の中をより良くするため、「女性トイレ研究家」の道へ

――白倉さんが、トイレに興味をもたれたきっかけと、現在のお仕事について教えてください

多摩大学在学中に、授業で「トイレをきれいにしたデパートの売り上げが上がった」というエピソードを聞き、面白く感じたので、トイレをテーマに卒論を書きました。

その際に、トイレはとても重要なインフラなのに、汚い・臭いと人前で話せない「タブー視」が問題だと気が付き、イメージを変えたり、トイレに関する情報を流通させる専門家が必要ではないかと感じました。

さらに、私が大学3年生の時に「阪神淡路大震災」が起きました。その時に一番問題になったのがトイレだと言われています。下水も水も使えなくなり、トイレ難民が増えました。仮設トイレを運ぶにしても道路が寸断されて運べないというケースもあり、社会問題になりました。

また、所属していた環境問題のサークルでは、いまだに「トイレがない国」が存在し、水が汚染されてたくさんの子どもが死んでいることを学びました。

このように、トイレという大事なインフラが重要視されていないことが現代における大きな問題だと感じ、使命感が湧いてきました。その中で「女性トイレ専門家」として生きる人生を思いつき、26年が経過しました。

現在はトイレに関するコラムを書いたり、マスコミの対応をしたり、「一般社団法人日本トイレ協会」の役員として、トイレに関する勉強会を主催したりしています。夢は、トイレに関する情報提供などを通じた事業展開や、世界中にトイレの百貨店を作り、世界のトイレ問題に貢献することです。

せっかくなら、トイレで過ごす時間を快適で楽しいものに

――快適なトイレ空間にするための工夫があれば教えてください

まず家庭のトイレでは、明るく、清潔で、悪臭の無いトイレが良いでしょう。トイレ掃除は、きちんと汚れに届くブラシなどの道具、汚れに適した洗剤などがあると効果的です(酸性とアルカリ性と中性の洗剤がそれぞれあると、何とかなります)。

中には温水洗浄便座を設置される方もおられますが、最近はふたの色が選べたり、汚れにくい工夫がなされていたり、洗浄水を節約するものなど、さまざまなものがあるので、お好みのモノを探すと良いでしょう。なお、温水洗浄便座は便器との隙間に汚れが入りやすいですが、便座を外せるタイプもあるので、定期的に外して拭くと良いでしょう。

あとは空間にお気に入りのアロマを置くとか、好きな絵や写真を張るとか、季節に合わせて飾りを変えると気分転換になるでしょう。

今は、トイレをインテリア化しようという動きがありますので、便座カバーもいろいろなものがあります。長時間座っていても快適という観点で言うと、フワフワで暖かい素材のものもありますが、汚れが付着しやすいのでクッション性と厚みがあるウレタンのような、洗ったり水拭きできるものがいいと思います。

空間にとことんこだわるのであれば「音楽が流れる機能のついたトイレ」がありますよ。便座に座ると自動でクラシック音楽が流れます。香りは芳香剤を置くのも良いですが、一部のトイレには、消臭用の排気口のフィルターに専用のアロマのシートを差しておくと、風と一緒に香りが空間に広がるというものもあります。

それから、重度の糖尿病患者さんが「トイレ内でインスリンの注射を打つので、トイレットペーパー付近に棚があると良い。手前が少し高く反っていて、注射が落ちないようになっているとありがたい」という意見を寄せてくださいました。IBD患者さんで自己注射を行う方も、場合によってはこのような棚があるといいかもしれませんね。さらに、棚にガムテープを重ねて貼って段差を作るなど、注射針が転がらないようにすると良いかもしれません。

最近はトイレにスマホスタンドを設置する人もいるようです。IBD患者さんは体調によって、どうしてもトイレにいる時間が長くなりがちだと思いますので、自宅のトイレにそのようなものを設置して好きな動画を楽しむなど、トイレをリラックスタイムにしてみてはいかがでしょうか。

知らない土地でトイレを探すコツは?進化する公共トイレの実態

――知らない土地でトイレを探すコツがあれば教えてください

外出先では、お気に入りのトイレをいくつか覚えておくと、良いでしょう。最近は、おしゃれでユニークな公共トイレが増えています。IBD患者さんにとって特に大事なポイントは、「すぐに見つけられる」「スムーズに入れる」「快適でゆっくり使える」などでしょうか。

堂々と入りやすいトイレとしては、昼の時間帯なら、駅や市役所や図書館などが思いつきます。移動中は「道の駅」なども探せると安心ですね。あとは「病院」なども、事情を説明すれば借りやすいと思います。コンビニエンスストアのトイレが開放されているケースもあります。

また、「空いているトイレ」は、ビルの上階にあるケースもあるので、普段から探しておくと良いでしょう。それから、トイレの位置を示してくれるアプリなどもありますので、導入されてみてはいかがでしょうか?

なお、非常時の対策として、携帯トイレを常備しておく手もあります。これは災害時などの水洗トイレが使えない場合に使用できるトイレで、ビニールを広げて使い、中に凝固剤などを入れて固形化したり消臭するものなど、さまざまあります。処分方法は各自治体の方式となりますが(一般的にはゴミとして捨てることが多い)、基本的には1回分で使い捨てです。なので、カバンに1枚入れておくとか、あらかじめ車に積んでおくと安心です。使用する場合には、プライバシーが確保できる個室や囲いがある場所を探せると良いでしょう。

一方で、携帯トイレのゴミをどこに捨てるのかという問題はまだ十分に解決されていません。トイレに捨てるのが一番だとは思います。女性用トイレには、生理用ナプキンを捨てるためのゴミ箱が個室にあるのが普通です。しかし、男性用トイレはゴミ箱を置かないのが一般的ですが、最近は膀胱がんなどになられた方などが「尿もれパッド」を使うケースが増えており、使い終えたパッドを捨てる場所がなく、やむを得ずカバンに入れて1日過ごす方もいるようです。いくら自分のものとは言え臭いもありますし、持ち歩くのは抵抗がありますよね。それをフリーアナウンサーの小倉智昭さんが告白したことをきっかけに、「自分も同じ!」と声をあげる人が増え、男性用トイレに「これはサニタリーボックスです」などと注意書きをした上で、ゴミ箱を設置しようという動きが始まっています。

膀胱がんの患者さんは高齢の方が多いですが、IBDは若い患者さんが多いので、若いIBD患者さんたちが「携帯トイレやオムツを使うこともあるので、男性用トイレにゴミ箱を置いて欲しい」という声をあげていけば、もっと変わっていくと感じます。

――快適なトイレでゆったりと過ごしたいというIBD患者さん目線で、オススメの公共トイレ ベスト3」を教えてください

★広場型トイレ
例:新東名高速道路 NEOPASA清水(上り/下り)/JR品川駅 中央改札内 女子トイレ/JR新宿駅 地下1階中央改札内アルプス広場(アルプストイレ)、地下1階中央東口(中央トイレ)
回転率の高いトイレ。広場型トイレは真ん中を手洗い場にし、周囲がトイレになっている。通路型のトイレに比べて行列になりにくく、見渡しやすいため「実は奥が空室だった」などということが起こりにくい。さらにお化粧直しをするパウダールームは別の場所になっているため、中が混雑しにくいというのもポイント。

★障がい者用トイレが2つあるトイレ
例:金沢駅新幹線改札内トイレ/新宿駅小田急地下1階改札前トイレ/東名高速道路海老名SA内など
昔は車いすトイレが男女で分かれていたり、わざと真ん中に作っていたりしました。最近では、障がい者用トイレが2つ設置されるケースが増えています。中を見ると、便器の位置が、壁の右寄り/左寄りなど、わざと別々の配置になって、選びやすくなっています。また、男女の区別がないので、異性介助者が入りやすくなっています。

★トイレ内に液晶があるトイレ
例:神奈川県横浜市旭区の二俣川駅に隣接した商業施設
トイレの個室の中に液晶があり、今いくつのトイレが空いているかがわかる(満室だとオレンジ色になる)。そのため、なるべく早く出ようという意識が働くため混みにくい可能性あり。ただ、IBD患者さんは腹痛などでトイレが長くなるケースもあるので、使用中は気持ちが落ち着かず、負担になってしまうかもしれません。

――IBD患者さんの理想的なトイレを提案するとしたら、どんな機能があると良いと思われますか

トイレの空室情報が事前にわかるというトイレが徐々に増えていると予想されます。そういうトイレがもっと増えるといいですね。

それから、過敏性腸症候群(IBS)患者さんが発案した「予約トイレシステム(スマホのアプリで公共トイレを10分前から予約をすると、予約した人が到着する時に開放され、確実に入れるという有料のトイレ)」という動きもありましたが、残念ながら継続はしていないようです。これも、もっと社会理解が広がることと、トイレの数の増加により可能性が広がるでしょう。

1人でも多くの人が問題提起していくことが重要

――IBD患者さんへのメッセージをお願いいたします

トイレは社会の大事なインフラである反面、マナーの悪い使用者も多く、問題解決の難しい側面があります。私が運営委員をしている日本トイレ協会でも、これらの対処について議論はしていますが、時代ごとに問題が複雑化しています。しかし、同時に改善もしていると思います。一人でも多くの人が、トイレで快適に過ごせ、トイレが社会参加の障害にならないように、みなさんも一緒にマナーを守っていただけるよう、お願いしたいと思います。

また、1人でも多くの人が問題提起していくことが重要だと思います。私はIBDではないので、お気持ちを汲み切れないかもしれませんが、何かお力になれることがあれば幸いです。

(IBDプラス編集部)

白倉さん
女性トイレ研究家
白倉正子さん
1973年群馬県生まれ。多摩大学在学中に卒論でトイレを取り上げたことがきっかけでトイレに興味を持ち、1996年に「アントイレプランナー」を創業。トイレ掃除の修行から始める。トイレ専門の企画会社として、イベント企画・執筆・講演・テレビに多数出演。TBS「マツコの知らない世界~トイレの世界」に出演(2012年11月2日)。2019~2022年千葉県でトイレ清掃セミナーの講師を行い、720名に指導をした。2022年8月 進化するトイレシリーズ

「SDGsとトイレ」(共著/柏書房)。

一般社団法人日本トイレ協会運営委員およびメンテナンス研究会副代表幹事。日本うんこ文化学会会員。世界トイレ協会会員(日本人唯一)。理念は「トイレから地球革命!」

公式HP: https://entoiletplanner.com/
Instagram:https://www.instagram.com/masako_shirakura/
Facebook:https://www.facebook.com/masakoshirakura(友達申請は、メッセージをいただける方を優先しています)

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