カログラ(一般名:カロテグラストメチル)
潰瘍性大腸炎の治療で使用する主なお薬一覧 | 2022/10/20
1日3回服用する錠剤のお薬です。一般的に潰瘍性大腸炎では、まず5-ASA製剤と呼ばれるメサラジンやサラゾスルファピリジンなどの飲み薬で治療を開始し、効果が不十分であればステロイド治療、さらに免疫抑制剤や生物学的製剤など、経過に応じてより強い治療が選択されます。このお薬は、5-ASA製剤を服用しても十分な効果が得られなかったり、治療が続けられなくなったりした中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんに使用されます。
監修者:薬剤師 谷本かおり
効能・効果
カログラは、リンパ球などの表面にあるα4インテグリンというタンパク質の機能を阻害し、主にリンパ球が引き起こす腸管の炎症を抑えることにより、潰瘍性大腸炎の症状を改善します。
カログラの特徴
潰瘍性大腸炎の薬は「寛解導入」と「寛解維持」するための2通りの目的で使われます。カログラは、中等症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを寛解状態に導くために使われます。
使用上の注意
以下に該当する患者さんは、使用する前に医師、薬剤師にお伝えください。
- 以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある方。/妊娠中、授乳中、または妊娠している可能性のある方。/肝機能が低下している方。
- 妊娠可能な女性は、この薬を服用期間中および服用終了後の一定期間(3日間)は避妊をしてください。
- 服用期間中は感染症にかかりやすくなっているため注意が必要です。
併用禁忌・併用注意
- 多発性硬化症の薬であるナタリズマブ(製品名;タイサブリ)を使用したことがあれば、必ず医師に伝えてください。
- カログラと併用すると作用が強く出る可能性のあるお薬(ミダゾラム、アトルバスタチン等)や、カログラの作用が強く出る可能性のあるお薬(リファンピシン等)があります。服用中の薬があれば、市販薬も含め医師や薬剤師に伝えてください。
用法・用量
【カログラ錠120mg】通常、成人は1回960mg(8錠)を1日3回食後に服用します。食事を取らない場合も、該当する時刻に服用してください。飲み忘れに気付いた場合は、気付いた時に1回分飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回飛ばして、次の時間に1回分飲むようにし、決して2回分を1度に飲まないでください。
副作用
比較的起きやすいのは頭痛や発熱、のどの痛み等の風邪のような症状、吐き気や胃のむかつき、関節痛などです。このような症状に気付いたら、医師や薬剤師に相談してください。まれに下記のような症状があらわれますが、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。このような症状に気づいたら使用を中止し、すぐに医師の診療を受けてください。
- けいれん、しゃべりにくい、手足のまひ、意識の低下や意識の消失、物忘れをする [進行性多巣性白質脳症(PML)]
- 長く続く咳、発熱、腹痛、下痢、嘔吐、倦怠感 [重篤な感染症]
コラム
潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患では、薬物治療だけではなく毎日の食事も重要です。しかし、どのような食事が良いのか、患者さんご本人やサポートにあたっているご家族の方でお悩みの方も多いのではないでしょうか。食事療法について解説した本はやさしいものから専門的なものまでいろいろ出版されていますが、インターネット上にもお料理のレシピが多数公開されています。医療関係者や栄養士さんの監修する炎症性腸疾患患者さん向けレシピのほかに、一般の方が疾患をお持ちのご家族のために考えたレシピなどもあり、楽しく学ぶことができます。ぜひ、いろいろなツールを上手く活用してください。
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