「マイクロバイオーム医薬品」の治験薬製造に向けてメタジェンとJSRが提携

ニュース , 腸内細菌を学ぶ2024/9/25

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腸内細菌叢やマイクロバイオームに着目している両社が提携

メタジェンセラピューティクス株式会社(以下、メタジェン)とJSR株式会社(以下、JSR)は、「マイクロバイオーム医薬品」の治験薬製造施設の設立に向け、契約を締結したと発表しました。

近年、解析技術等の進歩に伴い、腸内細菌と人の健康状態や病気の罹患との関連性が科学的に解明される中で、腸内細菌を活用したマイクロバイオーム医薬品の研究開発が世界中で行われています。

メタジェンはこれまで、経口投与による腸内細菌叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)を可能にする「経口FMT医薬品」の開発を進めてきました。また、JSRも従来より次世代の研究テーマの一つとしてマイクロバイオームに注目し、研究開発を進めていました。

潰瘍性大腸炎を対象とした「経口FMT医薬品」候補の治験薬製造に向けて始動

今回の提携を通じて両社は、FMT医薬品の治験薬製造施設の設立に向けて共同研究を進めていくということです。同施設は神奈川県の「JSR Bioscience and informatics R&D center(JSR BiRD)」のコラボレーションラボ内に設置され、2025年3月の完成を予定しています。

メタジェンは同施設の完成後、前臨床段階にある潰瘍性大腸炎を対象とした経口FMT医薬品候補の治験薬製造に向け準備を開始します。また、JSRはメタジェンの同治験薬製造をサポートするとともに、将来の同医薬品製造に向けた調査、検討を実施するということです。

2025年にはFMT医薬品の原材料となる腸内細菌抽出のための献便施設を開設予定

今回の提携についてメタジェンCEO中原拓氏は「腸内細菌叢の乱れは潰瘍性大腸炎のみならず、がん、パーキンソン病など、さまざまな疾患と関連することが明らかになっており、今後はさまざまな領域でのマイクロバイオーム創薬が期待されている。本提携は、日本発FMT医薬品の日本および海外での治験開始に向けた大きな一歩だ。2024年4月より腸内細菌叢バンク「J-Kinsoバンク」を通じて、便の提供を行う腸内細菌ドナー候補者の募集を行っている。2025年4月にはドナーによる献便およびFMT医薬品の原材料となる腸内細菌の抽出を目的とした献便施設を山形県に開設する予定だ。今後、FMT医薬品の開発をさらに加速させ、一日も早く患者さんに届けられるよう尽力していく」と述べています。

JSR BiRDセンター⾧の古賀裕久氏は「経口FMT医薬品を用いた新しい治療法の開発は、未来の医療を大きく変革する可能性を秘めている。本提携により、その医療の進展に寄与できることを嬉しく思う。この度のJSR BiRDにおける治験薬製造施設の設立は、経口FMT医薬品開発のための重要なステップと認識しており、今後もメタジェンと緊密に連携し、製造技術確立に関与し、経口FMT医薬品の開発に貢献していく」と、述べています。

(IBDプラス編集部)

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