【IBD白書2018】潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんと「患者会」 患者会に入った理由・入らなかった理由は?
白書2018 | 2025/2/7 更新
炎症腸疾患(IBD)患者さんにとって重要な情報源であり、同じ病気に悩む人との交流の場である患者会(患者支援団体)。患者会主催のイベントに参加した、あるいは相談を検討したことのある人も多いのではないでしょうか。今回は、潰瘍性大腸炎の患者さん145人、クローン病の患者さん86人の計231人の声をまとめた「IBD白書2018」から、患者会への加入割合や「入る理由」「入らない理由」を紹介。また、患者会や医療機関が主催する勉強会・交流会への参加経験の有無、イベントのよかったところ・改善してほしいところなども併せてご紹介します。
Q.潰瘍性大腸炎やクローン病の患者会に加入していますか?
15.2%が「患者会に加入している」と回答しました。潰瘍性大腸炎では13.1%、クローン病では18.6%が患者会に加入しています。
次項では、患者さんに「患者会に入った理由」「患者会に入らない理由」について聞いた結果をご紹介します。
Q.患者会に「入った理由・入らなかった理由」
患者会に入った理由
- 情報収集及び社会貢献
- 勉強になり、仲間ができるから
- 広く情報を入手したい。改善のきっかけを掴みたい
- 情報と心の共有
- 患者としての悩みを共有したくなった。同じ状況の人がどう生活しているか知りたくなった
- 区役所主催の医療講演会で患者会の紹介があり入会した
- 薬や治療に関する情報を集めたいと思ったから
- 出産のとき、不安だったので
- 同じ症状の人たちと情報共有できるから
- 同じ病気を持つ、年上のかたに、どんな方法で就労できたのか、結婚は、出来るのかなど、行政で受けられることなどを、聞きたかったからです
- 災害時にストーマの装具が手に入らないで困るから
- 料理などの勉強会があるので
- 自分が経験した事を他の同病の方に経験させたくないと思ったから
- 患者視点で意見をうかがうため
- 実際に対面して情報交換をしたかった
- 病気に関する情報が極端に不足していたし、同じ病気の仲間と知り合う機会がなかったから
- 医療情報、寛解維持の共有がしたいから
- 患者会立ち上げ前は、保健所の相談会などで病気に関する情報を調べたりしていましたが、患者会が立ち上がったことを知り、入会しました。いろいろな情報を知ることができるだけでなく、自分の経験が他の患者さんの力になれば、お互いに支えあうことができればと思い入会しました。
患者会に入らなかった理由
- 患者会そのものを知りませんでした
- そんなに症状が重くなかったので、なじめるか不安だから
- 入会のメリットを感じない。あまり交流したいと思わない
- 現在、住んでいる街に患者会があるかどうかを知らない為
- 患者会というものが有るのを知らなかった。またどういった活動内容なのかも不明な為
- 自分自身が医師であり、入りづらいから
- 過去に入会していたが、情報収集のシーンがインターネット中心になってきたため
- 同じ病気の患者と交流する気にならない
- まだ未成年の為参加する勇気がない
- 興味はあるが、忙しく参加が難しいため
- 病気感が出るから
- お金がかかる。お金を払う余裕がない
- 実になる情報を得られない。SNSで十分
- 定期的に自治体が開催する講演会などに参加しているので十分だと思っています
- 話すのが苦手
- 患者本人の年齢が若いため、食事制限が厳密に実行できている為、寛解維持できており、他の食事制限が出来ない自己抑制出来ていない患者さんの意見を聞かせたくない為
- 発症してまだ年月が浅く、何かを共有するにも自分自身のデータがないためまだ早いかなと感じる
- 地域の患者会は、ホームページが全く更新されないのでどんなことをしているのかよくわからないことと、同年代の方が少なそうだから
- 人の気持ちに左右されることがあるため
Q.患者会や病院が主催する勉強会・交流会などに参加したことがありますか?
32.9%が勉強会や交流会などに「参加したことがある」と回答。潰瘍性大腸炎では28.3%が、クローン病では40.7%が「参加したことがある」と回答しました。
続いて、患者さんが実際に勉強会や交流会に参加して、「良かった」と感じたことや「改善してほしい」と思ったことをご紹介します。
ここが良かった
- 新薬の紹介やトイレケアの仕方、入れる保険の紹介、食生活について知りました。医師からの情報だけでなく同病者からの情報は、自分にとってとても参考になり心強くなります
- 患者会が主催している医療相談会に参加して、患者視点の話と医者視点の様々な話を聞くことができてとても勉強になりました
- 他の患者が再燃した場合の状況や対処の方法が参考になる
- 知らなかった治療や、これからの医療などを学んだ。仕事の悩みなどを分かち合った事は勉強になりました
- 食事やレシピについて すごく為になった
- 体験談や新薬情報、食事の取り方。有効な調理法や食べられるものなど栄養士さんからの情報が参考になった
- 勉強会では、最新の情報を知る事が出来るので、出来るだけ参加しています。交流会は、IBD仲間と気兼ねなく話せる場なので、参加しています
- 初見だと会話の中に入れず、上手く交流が出来なかった。当時の治療方法などを外部講師を招いて講義してもらった
- IBDに関するセミナーと料理教室 他の医師に話が聞けたのは良かった。料理も発見があったので満足
改善してほしいこと
- 内容が薄く時間がもったいない
- 自分より年上のかたばかりでしたが、集まれたのが、5~6人ほどでした。30代に入って症状が、安定したきたことや、今行っている治療の内容をはなしました。個人のことに踏み込んだ質問も多くなってしまいますので、初対面のかたと、なかなかお互いに持っている情報を共有するのは難しく感じました
- 一般的な交流会。各々の病状の話や困っている事、悩みなど言い合ったが、百人くらい居たのに積極的に発言する人は限られたり(発言しない人が多い)、家族など代理人の参加も多くて実になる話が少なかった
むしろ「患者会をうまく活用する」くらいの気持ちで
ある患者会では、患者さんが患者会の定期的な集まりに来なくなることを「卒業した」と言っています。これは“負け惜しみ”などではなく、「日常生活を送るのに必要な情報を患者会から吸収しつくした(=1人で上手く生活できる)」という考えからとのこと。多くのIBD患者会やIBD治療を行う病院では、さまざまなテーマでイベントや勉強会、交流会を行っています。「患者会に入ったら、すべての催しに参加しなければならない」と考えるのでなく、「興味のあるテーマやイベントだけ参加する」くらいの気持ちで参加してみてはいかがでしょうか。