【開催レポート】武田薬品工業 IBD疾患啓発イベント 3月27日(前編)

月別のイベント2021/4/16

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武田薬品工業は3月27日、炎症性腸疾患(IBD)の疾患啓発オンラインイベントを開催しました。イベントには、全国の医学生、薬学生、看護学生の15人が参加。講演やシミュレーションプログラム、疾患啓発ポスターの制作を通して、患者さんの気持ちへの理解を深めました。医師でIBD患者の石井洋介先生は、「病気を中心に自分の人生を変える必要はない」と強調。やりたいことをやっていくために工夫することが大切だと話しました。

石井先生が、発病当時の辛かった思いを吐露

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消化器外科医の石井先生は、腸内細菌を擬人化したスマホゲームアプリ「うんコレ」の開発者で、潰瘍性大腸炎患者でもあります。講演では、「病院の診察では、患者さんが受診してから退院するまでの一定の期間しかコミュニケーションがとれない点に問題意識を持っていた」と話し、この思いがうんコレの開発といった予防医療の取り組みや夜間診療所、在宅診療所の開設など現在の活動の柱につながっていることを明かしました。うんコレではゲームを進めるために毎日、便の色や形の報告が必要で、下痢や血便が続くと病院に行くよう、美少女キャラクター カンベンヌ様よりお告げがくる仕組みになっています。

石井先生が治療中、特に辛かったのは食事制限だったそう。「高校生の頃は、脂質や糖質、刺激物すべて食べてはいけないと思い、お金がないなどと嘘をついて、学校帰りの友だちの誘いを断っていた」―。石井先生は自身の経験を踏まえ、「医療者はアドバイスのつもりで伝えていても、患者さんからすると、絶対に守らなければいけないことのように聞こえてしまう」として、クローン病と潰瘍性大腸炎の違いや個人の病状にもよっても変わるので一概には言えないことを念頭に置きつつ、「(食事制限は)気にし過ぎない方がいい」との認識を示しました。

自分の想像で就業制限をかけて職業を選ぶのはもったいない

イベントではまた、IBD患者さんが働きやすい環境について、石井先生とイラストレーターのカメダさん、コピーライターの永田健人さんが、当事者としての悩みや工夫を語り合いました。

クローン病のカメダさんは、高校生の頃から深刻な症状があり、「部活動中、頻繁にトイレに行くので先輩からサボっていると思われた」「自転車通学では立ちこぎしかできなかった」と、過去を振り返りました。しかし、医療機関を受診してクローン病と診断されたのは社会人になってからだったといいます。うまくいかなかったことが自分のせいではなく、病気のせいだとわかったことや治療によって症状が落ち着いたことで、「メンタル的にポジティブになれた」とカメダさん。会社には病気のことを包み隠さず打ち明け、周囲の理解を得ながら仕事を続けているそうです。

通勤など移動については、急行電車では長い間降りられないことから、「トイレに関する不安はつきまとう」と気持ちを吐露。また長時間での車移動は「ストレスを感じることがある。大事な仕事のときは、前日、最寄りの駅の近くに泊まる」など工夫しているといいます。

一方、永田さんはフリーランスになってから潰瘍性大腸炎を発症したそう。「フリーランスでは、病院の日などスケジュールを調整しやすいが、仕事を入れないと収入がなくなってしまう心配もある」と話しました。会議はオンラインでの実施が多く、在宅で仕事ができ移動が少ないため、トイレに関する懸念はあまりないといいます。永田さんは、「インターネットの普及などもあり、病気があってもやりたいこと、好きなことに打ち込みやすい時代。自分にこれはできないのではないかと諦めて職業を選ぶのはもったいない」との思いを語りました。

これについては石井先生も、「若い頃は就職がすごく厳しいものだと思いがちで、自分の想像で就業制限をかけてしまうことがある」と指摘。その一方で、実際には患者さんは幅広い職種についていることを説明し、「IBDは一生付き合っていく可能性が高い病気。病気を中心に自分の人生を変える必要はない」と、言葉に力を込めました。

ポスターは武田薬品工業のホームページで5月に公表、全国の病院へ配布も

イベントでは、デジタルポスターも制作。イラストはカメダさんが手がけたもので、テーマは「通勤」「会議」「食事」の3種類。学生らは3班に分かれ、永田さんのレクチャーを受けながら、テーマに合ったコピーを作成しました。

発表時間の10秒前まで苦戦しながらコピーを考えている学生らの姿にハラハラしながら、編集部もディスカッションには参加できなかったものの、つられて一緒に考えてみました!

山こえて 便意も続くよ どこまでも
「異議あり」と お腹のガスが 返事する
「とりあえず、 生で!」私は まずトイレ

さて、学生たちはどのようなコピーを作ったのでしょうか?

通勤を担当したチームが発表したのは「駅はまだ? お腹も“ラッシュ” 止まらない!」。急行電車は各停より長い時間乗っていなければならず、電車は止まらない、便意も止まらない、としてこのコピーに決定したと説明しました。

会議担当のチームは、「よし、今だ 笑顔でHELP 『トイレです!』」と発表しました。「笑顔でこれが言える環境だといい。患者さん自身がこんな風に言ってもいいんじゃないか」という気持ちを込めたそうです。

食事のチームからは、「腹の乱 今宵も行くぞ いざ参る」―。チームのメンバーは「今日も頑張っていくぞという気持ちを込めた」と話しました。

完成したデジタルポスターは、世界IBDデーの5月19日に武田薬品工業のホームページで公表するほか、全国の病院でもポスターを活用して情報提供していく予定だそうです。受診の際にはぜひ、探してみてくださいね!

(IBDプラス編集部)

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