【開催レポート】武田薬品工業 IBD疾患啓発イベント 3月27日(後編)

月別のイベント2021/4/22

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トイレのタイミングがコントロールできないストレスを体験

実はこのイベント、講演やポスター制作と同時並行で、IBD患者さんの日常を経験するためのシミュレーションプログラム「In Their Shoesプログラム」が進行していました。プログラムでは、事前に郵送されていたキットを使用しながら、スマホアプリの指示に従って行動しなければなりません。キットは8つ。中身が見えないように包装されており、アプリから指示があれば開封します。編集部として私も参加したので、体験記を書いてみました。

郵送されてきたキット

午前10時過ぎ、イベント開始からまもなくして、アプリから連絡が。指定された袋を開けると、食事ガイドや痛みのレベルなどを数字で表した簡易疼痛調査用紙が入っていました。生野菜やフルーツ、揚げ物、カフェイン入りの飲料、アルコール飲料……。昼食や夕食に用意していたものすべてが避けるべき食品のリスト当てはまっており、絶句してしまいます。(このあと、石井先生のアドバイスも意識しながら食事をしました)

食事ガイド

約1時間後、アプリの指示に従い、お腹を締め付けるベルトを装着。その後、3分以内にトイレに行き、ドアの写真を撮るよう命令がきました。イベントに夢中になっていた私は時間に間に合わず、アプリ内で便失禁してしまいました。便意は私のタイミングを待ってはくれません。アプリ内とはいえ、ショックで悲しくなりました。

トイレへの指示は計7回。翌日の朝9時にプログラムが終了するまで続きました。このほかにも、「上司」から電話がきて、海外出張を断らなければならなかったり、紙シーツをベッドに敷いて寝たり……。深夜2時にも起こされました。さらに、プログラム終了前の朝8時半にはオムツを履くよう指示が。大人になってオムツを履いたのは初めてです。この日は、パンツスタイルで出かける予定だったのですが、オムツが分厚くてうまく履けません。急遽ワンピースに着替えましたが、外は春の嵐。スカートがめくれたら……と思うと不安でいっぱいになりました。

お腹を締め付けるベルト

患者さんからしたら、「こんな程度ではない!」と思われるかもしれませんし、プログラムを1日体験したからといって、患者さんの気持ちが、日常生活を送る大変さがわかるようにはなりません。しかし、頻繁にトイレに行ったり、不安になったりと、シミュレーションでこそあれ経験し、患者さんに寄り添うこと、何が大変かを理解すること、どんなところに配慮が必要かを考えることができるようになったと感じました。

最後に、イベントに参加した学生さんたちの感想を抜粋してお届けします。

「友だちがクローン病だったこともあり参加した。IBDについては教科書に書いてある言葉でしか学んでいなかったので、実体験として結びついていなかった。今回いろんな患者さんの話を聞いて、具体的に想像力を養えた。患者であることは人生の一部。患者さんとしてだけでなく、1人の人間として寄り添っていこうと思った」

「プログラムでは、こんなときにトイレ?というタイミングで指示がくる。でも、なんで今なの?ということが患者さんは日常的にあると思う。そういう大変さを実感した」

「プログラムのキットに入っていた日常生活の困り具合が記された紙をみて、衝撃を受けた。教科書的なことだけでなく、大変さをより理解することにつながった」

(IBDプラス編集部)

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