【開催レポート】2年目を迎える「I know IBDプロジェクト」オンライン記者発表会 5月17日

月別のイベント2023/5/30

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全国47都道府県で68社2,158店舗が賛同・協力

In-Their-アッヴィ

アッヴィ合同会社は5月17日、炎症性腸疾患(IBD)について、社会全体での理解を高めることを目的とした「I know IBDプロジェクト」のメディア向けオンライン記者発表会を開催。北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 特別顧問の日比紀文先生、JTB総研主任研究員の勝野裕子さん、IBD患者さんの安達涼子さん(仮名)が登壇されました。

I know IBDプロジェクトは、IBD患者さんの外出時のトイレの不安に対して、トイレの貸し出しに協力いただく企業・店舗を募り、社会全体でのIBDへの理解向上を目指すことを目的としており、全国47都道府県で68社2,158店舗(4月1日現在)が賛同企業・協力店となっているそうです。

プロジェクト発足から2年目を迎える今年は、旅行需要の回復を受け、IBD患者さんの日常のみならず非日常の外出といえる「旅」にも活動を拡大し、IBD患者さんが安心して旅行を楽しめる社会の実現に向けた取り組みを開始するということです。

他人に話しにくい「便意切迫感」という悩みで旅行を諦める人も多い

最初に日比先生が、日本におけるIBD患者さんたちの現状についてご講演されました。新しい治療薬の登場でIBD患者さんのQOLが大幅に改善した一方、「便意切迫感」という症状に多くの患者さんが悩まされていることが昨今明らかになってきたそうです。特に、旅行となると「トイレが見つけにくい」という問題のほか、「長時間の移動・混雑の不安」「周囲の理解不足」などの問題もあることから、諦めてしまう方が多いそうです。日比先生は「IBDは正しく理解し適切な治療をすれば必ず良くなる。これからは、楽しく人生を彩れるような環境整備と理解が不可欠だ」と述べました。

次に、勝野さんが「ユニバーサルツーリズム」について、ご講演されました。ユニバーサルツーリズムとは、高齢や障害などの有無にかかわらず誰もが気兼ねなく参加できる、ユニバーサルデザイン(誰にも使いやすく設計されたもの)された旅行のことを指すそうです。勝野さんは、「心のバリアフリーを意識することが大切。心のバリアフリーは、優しさや思いやりではなく、思い込みや偏見をとること。一人ひとりが想像力を働かせることが大切」と述べました。

その中でも「トイレの困りごとは誰もが経験しているはずで、自分ごととして考えやすいのではないか。トイレを自由に使えるという意思表示をするお店が増えれば、安心して外出できる人は多い」と、同社の取り組みに肯定的な考えを示しました。

IBD患者さんが旅先や移動時にしている工夫は?

最後に、IBD患者さんの安達さんと勝野さんのトークセッションが行われました。安達さんは旅行やイベントも可能な範囲で楽しまれているそうで、具体的にご自身がしている工夫や対策を教えて下さいました。

・旅行時には防災用の簡易トイレを車に入れている。
・新幹線はトイレが近い通路側の席を選択。
・長距離バスは乗車前の飲食を控える。
・トイレに長時間行けないとわかっている時は大人用トレーニングパンツとナプキンを着用することもある
・事前に事務局に病気のことを伝え、出口に近い障がい者用駐車場を使えるよう配慮してもらえた
・ヘルプマークをつけていたら席を譲ってもらえた

心のバリアフリーは、思い込みや偏見をとること-。確かにその通りだと思います。「IBD患者さんが本当に求めている記事」を提供できるよう、これからもがんばっていきたいと思います。

(IBDプラス編集部)

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