エレンタールP(新生児・乳幼児用成分栄養剤)

潰瘍性大腸炎は大腸粘膜で原因不明の炎症が起こる疾患で、強い腹痛や血便などの症状が出る活動期と、病気の症状がおさまる寛解を繰り返します。症状がとても強い時には点滴などで栄養補給をすることが多いのですが、症状がおさまってきた後に、消化管に負担をかけずに栄養を補うため、2歳未満の新生児や乳幼児には、エレンタールP乳幼児用配合内用剤(以下エレンタールP)が処方されることがあります。2歳以上であっても、医師が治療上必要と認めた場合は処方されることがあります。エレンタールPは、アミノ酸、糖質、脂肪、電解質、微量元素およびビタミンを成分とする新生児・乳幼児用成分栄養剤です。

監修者:薬剤師 谷本かおり

効能・効果

消化をほとんど必要としない成分で構成された、吸収されやすい高カロリー栄養剤で、腸の安静をはかりながら栄養を摂ることができます。消化管の病気があり、食事や未消化態タンパクを含むミルクなどで栄養を摂ることができない新生児・乳幼児に用いられ、手術前後の栄養管理にも使用します。

エレンタールPの特徴

水やぬるま湯に粉末を溶かして服用、またはチューブで消化管に直接注入します。消化の必要なタンパク質は含まれておらず、吸収されやすいアミノ酸がバランスよく配合されています。脂肪は新生児・乳児に必要なため、エレンタールPには、エレンタール配合内容剤(以下エレンタール)より多く配合されています。また、アミノ酸も、母乳を参考にバランスよく配合されています。栄養分はそのまま腸から吸収され、残りかす(便)は、ほとんど出ません。味は良くないのですが、風味をつけるためのエレンタールP専用フレーバーとして、フルーツミックス味があります。また、エレンタールと共通で使用できるフレーバーなどもありますので、必要であれば、医師や薬剤師に相談してみてください。

使用上の注意

  • 調整方法や使用方法、注意点などについて、必ず医師や薬剤師から説明を受けてください。
  • 水やぬるま湯に溶かしてから、6時間以内に使用してください。冷蔵保存の場合でも、30時間以内に使用してください。
  • 服用または注入する速度が速すぎると、下痢や腹痛を起こすことがあります。
  • 薬や食品アレルギーがある、アミノ酸代謝異常がある、出生時に低体重であったなど、医師から言われたことがあれば、使用前に医師と薬剤師に伝えてください。

用法・用量

【内服する場合】1袋を水またはぬるま湯で溶かし、1歳未満は20〜30g/kg体重(78〜117kcal/kg体重)、1〜2歳は15〜25g/kg体重(59〜98kcal/kg体重)を1日数回に分けて服用します。
【チューブを使用して注入する場合】1袋を水またはぬるま湯で溶かし、1歳未満は20〜30g/kg体重(78〜117kcal/kg体重)、1〜2歳は15〜25g/kg体重(59〜98kcal/kg体重)を1日24時間持続的に注入します。注入量や濃度、注入速度は医師の指示に従ってください。少量から開始し、徐々に増量していくのが一般的です。
使用量は年齢(月齢)・体重・症状に応じて適宜増減されます。医師の指示を守り、保護者の判断で変更したり中止したりしないでください。

副作用

比較的起きやすいのは下痢で、そのほかにおなかの張りや、嘔吐、便秘、貧血、発熱などの症状が出ることがあります。様子の変化に気づいたら、医師や薬剤師に相談してください。
まれに下記のような症状があらわれますが、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。このような場合は使用を中止し、すぐに医師の診療を受けてください。

  • 蕁麻疹、発熱、呼吸が速くなり苦しそうにする [ショック、アナフィラキシー様症]
  • 意識がなくなる、顔色が悪い [低血糖]

コラム

エレンタールPは、基本的に2歳未満の新生児・乳幼児に処方されます。この時期は日々体が成長しますので、必要なカロリーや成分が変化し、必要な栄養をエレンタールPだけでは補いきれないこともあります。その結果、ビタミン類や電解質、微量元素などが不足して、鉄分不足による貧血が起きることもあります。定期的な診察の際、医師が必要に応じて対応するので、過度に心配する必要はありませんが、ご家庭で気づかれたことがあれば、早めに医師や薬剤師に相談するようにしてください。

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