クローン病夫婦のリアルな毎日「IBDとともに生きるための10のヒント」(後編)
ライフ・はたらく | 2023/6/16
クローン病のぷみさん・ゆちゃさんご夫婦のこれまでの出来事や生活スタイルを通して理解する「IBDとともに生きていくためのコツ」。後編では、体調が悪い時・良い時の食生活の工夫や変化、エレンタールの取り方、日常生活の工夫や医療保険についても伺いました。最後の、おふたりがくれたメッセージは必読です!
夫:ぷみさん(39歳/クローン病歴24年)、妻:ゆちゃさん(40歳/クローン病歴25年)
IBDとともに生きるためのヒント
ヒント6:アウトドア 平日に近場のキャンプ場でトイレに近いエリアを予約するべし
――外食はされますか?キャンプも楽しまれているようですが
ゆちゃさん(以下、ゆ):外食は全くしないですね。油を使わない料理に慣れてしまって飲食店の食べ物はどれも脂っこく感じてしまいます。キャンプでは鶏肉を焼いたり、食パンを焼いたり、調子が悪い時は豆腐やはんぺんを焼いたりしています(笑)。キャンプ場は決まった所にしか行かないので、そこで働いている人には病気の話もしています。いつもトイレに近い場所にしているのですが、受付で「いつもの所空いてるよー!」と真っ先に教えてくれたりします(笑)。
ぷみさん(以下、ぷ):自家用車の後部座席には、いざという時のためにポータブルトイレを積んでいます。これだけでかなり安心できますよ。
――IBD患者さんがキャンプを楽しむコツはありますか
ゆ:まずは、近場のキャンプ場でトイレに近いエリアを予約するというのが重要だと思います。トイレまでの距離を歩くのがしんどいですし、意外とトイレが少なかったりするので、なかなか空かないこともあります。特に休日は混むので、できれば平日に行くのが良いと思います。私たちも混雑する休日は完全にインドアで、ゲームや愛犬テトのライブ配信を楽しんでいます。
ヒント7:食事・栄養剤 朝・昼はエレンタールメイン。夕食は油を使わない分、量は制限ナシ!
――普段の食事やエレンタールの摂取で何か工夫していることがあれば教えてください
ゆ:私も夫もメインの食事は夜だけにしています。エレンタールはフレーバーを入れてゼリーにして食べています。コーヒー、パイン、梅、トマト、オレンジ味をローテーションで(笑)。朝と昼は調子が良くても悪くても頑張って食べています。昼間はエレンタールのゼリーとパンを食べて済ませることが多いですね。
ぷ:エレンタールは朝一にグレープフルーツ味1択で飲んでます(笑)。お昼は妻が作ってくれたお弁当を持って行くこともありますが、ラコールだけで済ませることも多いですね。バニラ味を冷蔵庫で冷やしてそのまま飲んでいます。
――夕食はどんな感じですか?
ゆ:炒め物でも煮物でも、油は一切使わずに調理しています。
ぷ:その期間が長いので、今は外食とか外で買ってきたものは脂っこく感じてしまいますね。
ゆ:調子が一番悪い時は食パンをホームベーカリーで焼いていました。今は市販のパンを食べていますが、菓子パンや惣菜パンは食べないですね。私の場合、調子が悪いとご飯も食べられないので、基本的に夕食は豆腐かうどん、おかずは魚を食べていました。ご飯は手術をするまでの2年間くらい全く食べていませんでしたね。先生はパンの方がダメだって言うけど、私はなぜかご飯の方がダメでした。手術後は「ご飯が食べられる―!」って嬉しくてたくさん食べて太ってしまったくらいです(笑)。
私たちは脂質の制限はしますが量の制限はせず、好きなだけ食べています!今は調子が良いので、冷凍コロッケやフライドポテトを買ってきて、揚げずにオーブンで焼いて食べたりしています。反対に、魚は食べなくなりました。調子が良い時は、調子が良い時にしか食べられないものを食べたいんです。魚は調子が悪いとき用に取っておいています(笑)。お菓子も調子が悪い時は赤ちゃん用の「ハイハイン」「おっとっと」のほかに、ゼリー、カステラなどを食べていましたが、今は脂質10gくらいまでのお菓子は普通に食べていますね。ポテトチップスはダメですが、ノンフライスナックとか、「かっぱえびせん」も食べています。
ヒント8:入院 同室の人と仲良くなるにはカーテンを少しだけ明けておく
――医師とのコミュニケーションはどんなことを心がけていますか
ゆ:私は病気と関係なさそうなことでも、何でもとりあえずいつもと違うことがあったら全部伝えるようにしています。前の先生は結婚式にも来てくれました。式が始まる直前まで水分の点滴もしてくれて…一生忘れられない思い出ですね。
――入院中の過ごし方はどのようにされていますか
ゆ:私は同じお部屋の人と仲良くなりたいからカーテンをちょっとだけ明けておきますね。そうすると自然と目が合って「あ、どうも」って感じになります。全部開けちゃうと気まずくなるので、ちょっとというのがポイントです(笑)。夫は真逆で、誰とも話さずに帰ってくることもありますね。
ぷ:昔は喫煙所があって、そこでよく話したりしていましたけど、同じ病室の人だと気を遣わせてしまう気がするので、あえて意識しないように過ごしています。
ヒント9:生活の知恵 医療保険は入れる可能性を模索して。外出時は生理用ナプキンを
――長期入院で働けなくなってしまった場合など、いざという時のために対策していることあれば教えてください
ぷ:医療保険に入っています。入院した時もかなり保険に助けられました。保険に入ったのは発病後で、1年間入院しなければ病気があっても入れるタイプのものです。そのため、料金は高めで支払額も安いですが、あるのと無いのとでは全く違いますよ。1年間入院がなければ入れるタイプは意外と多いです。手術になった時は、職場の傷病手当金にも助けられましたね。
――その他、日常生活で工夫していることや気を付けていることがあれば教えてください
ぷ:車だけでなく、自宅にも災害対策を兼ねてポータブルトイレ を置いています。
ゆ:いざという時のために下着も持ち歩いていますし、遠出する時は大きめの生理用ナプキンをつけています。
ぷ:僕も痔瘻があるので、悪化して排膿がある時は生理用ナプキンを使っています。ただ、かぶれやすいので、軟膏やおりものシートも一緒に持ち歩いています。
ヒント10:今つらいあなたへ 泣いてもいいから前に進もう。つらいことの後には必ずいいことがある!
――IBD患者さんへのメッセージをお願いします
ぷ:難病になったことはどうにもならないので、受け入れて生きていくしかないと思うんです。でも、そう簡単に受け入れられるわけはないので、たくさん悩んで、落ち込んで、泣いてもいいと思います。あがきながらでも休みながらでもいいから、最後は自分で前に進むしかないと思います。僕の場合は、本当の意味で「生きていく覚悟」ができた時に一歩を踏み出せた感じがします。
ゆ:私が一番伝えたいのは、同じ病気の仲間がいる心強さです。体調のいい時は疎遠になったりしちゃうけど、何かあった時、へこんでる時、お互いに助け合え、分かり合える仲間がいるのは、本当に心の支えになると思います。
人は周りの環境によって、良い方にも悪い方にも変わってしまう…。現に、夫もそうでした。病んでいた頃と今とでは人間関係が全く違います。どんな人と関わるかということは本当に重要なので、みなさんにも自分が素直になれる仲間を見つけてもらえたらと思います。
ぷ:最後に「絶対に一人じゃないよ!」っていうのだけは伝えたいですね。
ゆ:そうだよね。後は、「つらいことの後には必ずいいことがやってくる」 。これは絶対に本当です!
(IBDプラス編集部)
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