意欲があれば、障がいの有無にかかわらず活躍~特例子会社 リクルートオフィスサポートの場合~

はたらく2018/2/13

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企業が障がい者雇用促進を目的として設立する「特例子会社」。2017年6月時点で、日本全国に464社の特例子会社が存在しています。炎症性腸疾患(IBD)で障害者手帳を持っている方の場合、安定した環境ではたらくことを考えると、選択肢のひとつになるのが「特例子会社」に就職するという道です。

そこで今回は、「特例子会社ではたらく」ことの実態に迫ります。取材させていただいたのは、リクルートグループの特例子会社であるリクルートオフィスサポート。数多くの障がい者と接し、採用業務を手がけている羽鳥ななえさんにお話を伺いました。

※特例子会社制度の概要(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/tokureikogaisha-gaiyou.pdf

株式会社リクルートオフィスサポート 経営企画室 人事・採用グループ 羽鳥ななえさん

IBDプラス_はたらく_株式会社リクルートオフィスサポート経営企画室人事・採用グループ羽鳥ななえさん
【株式会社リクルートオフィスサポート 企業紹介】
リクルートグループの特例子会社「株式会社リクルートプラシス」として、1990年に設立。同年に全国で34番目の特例子会社に認可される。2006年に社名を現在の「株式会社リクルートオフィスサポート」に変更。アスリート支援も手がけており、車椅子バスケットボールチームの公式スポンサーにもなっている。
http://www.recruit-os.co.jp/

クローン病・ベーチェット病の方も活躍中

――まずは、リクルートオフィスサポートの会社概要について教えてください。

羽鳥さん:当社はリクルートグループの特例子会社として誕生しました。現在、リクルートグループの障がい者雇用率は2.4%なのですが、その9割以上を当社が担っています。リクルートオフィスサポートの社員数はおよそ300名。そのうち85%を、障がい者が占めています。この4~5年は毎年20名ずつ採用しています。一昨年からは、地方創生の一環として北海道や沖縄といった地方自治体と提携し、障がい者の方の在宅勤務事業を手がけていることもあり、採用数が増えています。

IBDの方では、現在、クローン病・ベーチェット病の方が6~7名ほど在籍しています。ここ数年で、クローン病やベーチェット病の社員が増えまして、2016~2017年で3~4名は採用しました。

――クローン病やベーチェット病の方がリクルートオフィスサポートに就職・転職した理由には、どのようなものがありますか?

羽鳥さん:大学を卒業したものの、体調が安定せずにアルバイトをしていて、20代後半で症状が安定したという方や、大学を卒業して食品関係の会社に就職したものの、職場環境が合わずに転職に踏み切った方、さらには、飲食店で働いていたものの30代半ばで発症され、仕事を続けることができなくなった方など、当社への転職理由はさまざまですね。

意欲に応じて、成長を目指せる

――入社された方は、どのような業務を手がけているのでしょうか?実際の仕事内容について教えてください。

羽鳥さん:当社には、総務領域を中心としたオフィスサービス事業、個人情報管理を主軸とした情報関連事業、経理事務代行事業、サイト運営サポート事業という4つの事業領域があり、リクルートグループの各企業・部署から依頼された業務を手がけています。ほとんどの仕事は、事務系の領域です。たとえば、リクルートグループが運営している情報サイトに書き込まれている口コミをチェックしたり、掲載を申し込んだ企業の審査を行ったりするといった仕事です。また、リクルートグループで働くスタッフの入館証の発行やデータ管理などを手がける仕事もあります。

――リクルートオフィスサポートでの働き方の特徴があれば教えてください。

羽鳥さん:一般的な特例子会社の場合、「管理者が健常者で、実務を障がい者が担当する」というケースも多いようです。しかし、当社では障がいをお持ちの方でも、能力次第でどんどん仕事をお任せしています。その点が、大きな特徴だと思います。実際、マネージャー職の半数以上は障がいメンバーです。他にも、グループリーダーとして、派遣スタッフを管理したり、業務設計を行ってグループ会社に提案したりするといった業務を手がけている社員もいますね。

このように当社では、障がいがあるかないかに関わらず、きちんと評価をして、意欲の高い人が上を目指すことができる仕組みを取り入れています。ただ、体調には個人差がありますから、無理をしないように周囲がフォローしています。

――お話を伺っていると、みなさん高度な仕事に取り組んでいるような印象も受けます。採用の敷居も高いのではないですか?

羽鳥さん:いえいえ。そんなことはありませんよ(笑)。大学を卒業して社会人経験を積んでいる方もいれば、アルバイト経験のみの方もいます。経歴は本当にみなさんバラバラですし、選考では学歴も職歴も問いません。それよりも、意欲を重視しています。

実際に、これまでに採用した方々は、年齢も経歴も多種多様です。入社したら、最初の3か月間は研修を受講して、PCの使い方やビジネスマナーの基本を勉強してもらっています。社会人経験がない方でも安心してスタートできるようにするためです。研修の後半には、さまざまな部署を経験してもらい、その上で最終的な配属を決定しています。

配属となった後も、さまざまな研修プログラムを用意しています。世界的なビジネス書である『7つの習慣』に基づいた研修や、ロジカルシンキング研修、営業トークを学ぶ研修などがあり、実務経験がなくても意欲次第で成長できる環境が整っています。

障がいは、100%開示

――入社後に体調が大きく変化する方もいると思います。体調面・健康面などでのサポートやフォローはありますか?

羽鳥さん:保健師が常駐している健康管理ルームを設けていたり、オストメイト対応トイレを導入したりと、設備面を充実させています。しかし、一番の大きなサポート・フォローは、「社員一人ひとりの理解」ですね。クローン病の方であれば、食べ物に気を遣うと思います。例えば、みんなでランチに行くときには「これは食べられるかな?」といった声が自然に挙がります。夜にみんなで食事に行くこともありますが、お酒を無理強いすることはありませんし、ジュースを飲んでいる方もたくさんいて、それが当たり前の光景になっています。

健常者・障がい者を問わず、お互いの体調についての理解はとても深いものがありますね。急に体調が悪化したり、定期的な入院が必要だったりで、1~2か月休むことになる社員もいますが、仕事はチームで共有しているので、「休みにくい」「休めない」といったこともありませんよ。

IBDプラス_はたらく_保健師が常駐している健康管理
保健師が常駐している健康管理

IBDプラス_はたらく_オストメイトの方も利用しやすいバリアフリートイレ
オストメイトの方も利用しやすいバリアフリートイレを、フロアごとに設置

――そういった文化が浸透しているのには、何か理由があるのでしょうか。

羽鳥さん:障がいを100%オープンにしていることが、その理由かもしれません。入社時の自己紹介でも、自分の障がいについて説明してもらっています。そのため、相互理解が進み、声を掛けやすい雰囲気になっているのだと思います。

IBDプラス_はたらく_株式会社リクルートオフィスサポート

――最後にIBDの方が就職・転職を考える上で、どんな心構えが必要でしょうか。採用担当者の立場からアドバイスをいただけますか。

羽鳥さん:内定をもらうことが就職・転職活動のゴールではなく、働き始めてからが大切です。そういう意味でも、ただ「就職したい」というだけでなく、自分が何をしたいのか、自分には何ができるのか、そして、何が足りていないのかをきちんと考えることが必要だと思います。「就職してから教えてもらう」というスタンスではなく、足りないものを補うために、自ら能動的に動くような意欲があれば、可能性が大きく広がるはずです。

(取材・執筆:眞田 幸剛)

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