日本のIBD有病者数が8年間で「1.4倍」に増加、大規模調査で明らかに
ニュース | 2025/10/6
前回調査で約10倍の増加が確認されたIBD、最新の状況は?
東邦大学は、炎症性腸疾患(IBD)の有病者数が8年間で1.4倍に増加していることを大規模な全国調査で明らかにしたと発表しました。
IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)に対する全国疫学調査は、日本では1991年と2015年に行われています。2015年の調査では、患者さんの数は潰瘍性大腸炎で約22万人、クローン病で約7万人と推計され、いずれも1991年からの24年間で約10倍の増加が確認されています。
今回、8年ぶりに全国の内科・外科・小児科・小児外科を対象とする大規模調査が実施されました。
2023年の推定有病者数は潰瘍性大腸炎31万6,900人/クローン病9万5,700人
研究グループは、全国病院リストにある1万2,153診療科から、病床規模などを考慮して3,583診療科を選定し、調査対象施設としました。対象施設には2024年1月下旬に調査依頼状と資料を送付し、1年間(2023年)に受診した患者さんの数を男女別(初診・再診を問わず)に回答してもらいました。最終的に回答があった1,798診療科(回答率50.8%)の情報をもとに、有病者数を推計しました。
その結果、潰瘍性大腸炎の有病者数は31万6,900人、クローン病は9万5,700人と推定され、いずれも2015年からの8年間で約1.4倍に増加していることが明らかになりました。また、人口10万人あたりの年間有病率は、潰瘍性大腸炎が254.8人(男性:297.5人、女性:214.4人)、クローン病が77.0人(男性:112.9人、女性:43.0人)ということもわかりました。
国内でIBDが一貫して増加傾向にあることが判明
今回の研究により、日本における潰瘍性大腸炎およびクローン病の有病者数が引き続き増加傾向にあることが示されました。継続的に有病者数を把握することは、疾患の診断・治療・予防の全てに関わる基本情報であり、その情報を保健医療施策に反映させることは、公衆衛生面・医療経済面からも重要と考えられます。
研究グループは「今後も、有病者数を含めた疾病負担の正確な把握のため、全国疫学調査を継続的に実施していく必要がある」と、述べています。
(IBDプラス編集部)


