プラセボに当たる可能性もあるが、症状が良くなる方に賭けた
IBDの治験体験談 | 2022/7/13 更新
村岡さん 39歳(2015年4月時点)
村岡さん(仮名)は北海道在住。1995年に潰瘍性大腸炎を発症した。いったん 治療を受けてよくなったが、3年半ほどで寛解と再燃を繰り返すようになり、今は専門病院で治療を受けている。患者会活動にも参加して病気のことに関する情報収集もおこなっている。ある日病院で治験参加者募集のポスターを見つけ、主治医に「自分も参加できるものがあれば参加しますよ」と伝えておいた。
2010年に主治医から、最近出た新薬を飲むか、現在飲んでいる薬の用法用量を変える治験に参加するかという選択肢を提示された。どちらにするか1ヶ月ほど悩んだが、新薬を試すよりも今飲んでいる薬の方がいいだろうと思い、後者に参加することにした。ギャンブルになるなと思いつつも症状が良い方向に向かえばいいと思っていた。主治医に参加を伝えると治験担当の看護師から詳しい説明を受けた。複数服用する錠剤の一部に薬効成分のないプラセボが入っている場合があると言われた。患者会かテレビかでプラセボの存在は知っていた。プラセボが入っている群に自分が入るかもしれないが、とりあえず今より悪くならなければいいかなと思って、朝5錠、昼3錠、夜3錠の服用を1年続けた。それまで飲んでいた量よりも多くて大変だったがチェック表をもらっていたのでそこでチェックしながら飲んでいたので飲み忘れることなく続けられた。
治験は終了したが、自分がプラセボが入っているほうだったかどうかは聞いていない。当時は食事制限をなくしたくて、新薬に切り替えることを考えていたので、そのことを聞くことは頭になかった。用法変更の治験の結果については1,2年前の主治医の講演のなかで、1日分をまとめて1回で飲んでも大丈夫という話があったので、自分が参加した治験の結果はこれなんだろうと思った。実際に飲み方を変えても大丈夫になったということは、自分が参加したことが役に立ったのだろうとは思っている。治験は、結果が良くなるか悪くなるか分からないなかで、良くなる方向に賭けるギャンブルだと思っているので、受ける受けないは、やはり人それぞれの判断だと思う。
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