クローン病と肉類【CDと食事のQ&A】

食事2019/5/28

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肉類

※クローン病と食事(食材)の関連性は現在もなお不明な点が多く、患者さん個々人の状況によって食べられるもの・食べられないものが大きく異なります。医師や栄養士など専門家によく相談して、摂取の可否を判断しましょう。

クローン病の人が食事で特に気を付けなければならないのが、脂質と食物繊維の摂り過ぎです。しかし、「脂質は控えめに」と言われても、「今日はガッツリ肉が食べたい」という気分の日もあるでしょう。脂質が心配な肉ですが、部位や調理法を工夫すれば十分楽しめます。ここでは、肉を食べるときに気を付けたいポイントをまとめました。

監修者プロフィール

栄養士のプロフィール

管理栄養士・スポーツ栄養専門士(公認スポーツ栄養士取得予定)

優生

自身もIBD患者である病院栄養士。予防医療の普及や女性や子供の健康のために活動する、Luvtelli東京&New York公認カウンセラーとしても活動。得意分野はスポーツ栄養と予防栄養。

1. クローン病の人がなりやすい「低タンパク血症」を予防するには?

1日に必要なタンパク質量の目安は、炎症が治まった寛解期で体重1㎏あたり0.8~1.0gと言われています。しかし、クローン病の人はタンパク質の吸収が悪く、吸収されても腸管から漏れ出す、代謝が亢進するなどの理由で、低タンパク血症(主な症状は浮腫、貧血、食欲不振、慢性下痢など)になる恐れがあります。また、傷ついた腸管の再生や回復を早めるためにも、質のよいタンパク質を摂ることが、とても重要です。

タンパク質を多く含む食品には、肉・魚介類・卵・乳製品・大豆・大豆製品などがあります。基本的にクローン病の人におすすめなのは、魚介類や大豆などの「植物性タンパク質」です。肉、卵、乳製品などには脂質が多く含まれているので、食べるときには少しの注意と工夫が必要です。

2.肉を食べるときは、どんな部位を選べばいい?

特に豚肉や牛肉には、脂質が多く含まれています。「炎症性腸疾患(IBD)患者の約4割が、豚肉に含まれるアミラーゼ(消化酵素)に対する抗体を持っているため、豚肉を食べると再燃しやすい」という報告(厚生労働省研究班)もあります。

脂質の量は肉の部位によって異なり、多いのは「バラ肉」や「ロース肉」です。ですから、豚肉や牛肉を食べる場合は、モモ肉やヒレ肉を選ぶようにするとよいでしょう。「ひき肉」はミンチ状なので、消化が良いと思っている人もいるかもしれませんが、実は脂質が非常に多いです。「鶏ひき肉」であっても、皮や脂肪が一緒にミンチになっているものもあるので、注意が必要です。

また、鶏肉の皮もほとんどが脂質なので、鶏肉を食べる際は、必ず皮を取り除くようにしましょう。例えば鶏もも肉(ブロイラー)の場合、皮を取り除くだけで、約65% もの脂質をカットすることができます。

3.脂質を減らすための調理の工夫は?

調理の際も、少しの工夫で脂質を減らすことが可能です。以下は、その一部です。

  • 肉を一度茹でて脂を落としてから調理する
  • 炒める際に、肉から出た脂をキッチンペーパーで拭き取る
  • 電子レンジで加熱する
  • 蒸す、蒸し焼きや網焼きにする
  • フッ素樹脂加工のフライパンを使い、調理の際に油を使わない、あるいは減らす

4.油控えめでも、おいしく仕上げるコツは?

調理に使う油を減らしたせいで、「味気ない」「物足りない」と感じるときは、以下のような工夫をしてみると、おいしく仕上がります。

  • 肉に火を通す前にしっかりと下味をつける
  • 油を使わないときは、弱火でじっくり調理し、肉そのものが持つうまみをしっかりと引き出す
  • 「チキンソテー」や「鶏の照り焼き」など、鶏肉を焼く場合は、フライ返しなどでしっかりと押さえつけながら加熱する。肉に含まれる水分が閉じ込められ、仕上がりがふっくらジューシーに。余分な脂も外に出る
  • しゃぶしゃぶやゆで豚、棒々鶏、鶏ハムなど、油なし、油控えめの肉料理は、タレやソースににんにく、しょうが、ごま、ハーブなどを使うことで、コクと独特の風味が生まれる
  • 鶏胸肉や豚もも肉・ヒレ肉など、パサつきやすい肉には、片栗粉でとろみをつけると、しっとり食べやすくなる

5.買い食いや外食で注意すべき点は?

ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミなどの加工食品は、脂質が多めなので要注意。ファーストフード店やコンビニなどのフライドチキンも、控えた方がいいでしょう。

外食で肉を食べるときも、焼肉やステーキなどで部位が選べる場合はモモ肉やヒレ肉を選び、脂身は残しましょう。とんかつをオーダーするなら、ロースなどの脂身が多い部位は避ける、または脂身を残すようにしましょう。

揚げ物の衣も外して食べるのがベストですが、お腹の調子に影響しないようであれば、食べる量・頻度に配慮して食べても良いでしょう。ただし、お腹の調子が良くても、週に2回以下を目安にしましょう。焼き鳥のレバーと、つくねは、比較的安心だと言われています。

(ライター:植田晴美)

参考文献
  • 松本誉之、斎藤恵子ほか:潰瘍性大腸炎・クローン病の人の食事, 女子栄養大学出版部, 2003
  • 田中可奈子、酒井英樹ほか:クローン病・潰瘍性大腸炎の安心ごはん, 女子栄養大学出版部, 2014
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