免疫細胞の司令塔「樹状細胞」の新たな役割を発見
ニュース | 2017/11/22
樹状細胞がTNF-αを分泌している
身体の外から病原体が侵入してくると、免疫反応が起こります。免疫反応が起こるのは、脾臓やリンパ節などの器官ですが、これらは二次リンパ組織と呼ばれ、様々な種類の免疫細胞が集まっています。免疫細胞のなかでも司令塔の役割を果たすと考えられているのが、「樹状細胞」とよばれる細胞です。樹状細胞は最初に病原体を関知して、ほかの免疫細胞たちに、病原菌を攻撃するよう指令します。
神戸大学の齊藤泰之講師と的崎尚教授らの研究グループは、この樹状細胞が攻撃の指令を出すだけでなく、脾臓やリンパ節の形成・維持にも重要な役割を果たしていることを明らかにしました。樹状細胞が2つの特殊なタンパク質を介して、炎症に関わるサイトカインであるTNF-αの産生を制御し、脾臓やリンパ節などの二次リンパ組織全体の構造を支えている「ストローマ細胞」を生存・維持させる働きをしていることがわかったのです。
潰瘍性大腸炎・クローン病などの自己免疫疾患では、抗TNF-α抗体での治療が有効です。今回の研究結果から、抗TNF-α抗体が効く仕組みの解明や、樹状細胞を治療のターゲットとする新しい治療法の開発につながることが期待されます。
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