ミリキズマブ、活動期クローン病対象の第3相試験で長期寛解を達成

ニュース2023/11/9

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日本では「活動期潰瘍性大腸炎」の治療薬として使用されているミリキズマブ

米イーライリリー社は、中等症~重症の活動期クローン病の成人患者さんを対象とした「ミリキズマブ」の安全性および有効性を評価する第3相試験であるVIVID-1試験において、ミリキズマブが複数の主要評価項目および主な副次評価項目の全てを達成したと発表しました。

ミリキズマブはヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体で、現在、日本・ドイツ・英国・カナダにおいて中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎の治療を適応としています。IL-23経路の過剰な活性化による炎症は、潰瘍性大腸炎とクローン病の発症機序において重要な役割を果たしています。同剤はIL-23p19サブユニットを選択的に標的とし、IL-23経路を阻害します。

臨床的・内視鏡的改善いずれも有意な結果に、臨床的寛解達成は54.1%

VIVID-1試験では、12週間の寛解導入期間から実薬投与群に割り付けられた全ての患者さんが、52週目までの同試験の維持投与期間中、最初の治療を継続しました。また、12週時点で臨床的改善が認められなかったプラセボ群の患者さんは、盲検下でのミリキズマブ投与に切り替えられました。

12週時点でPROによる臨床的改善(排便回数および/または腹痛スコアが30%以上減少し、いずれのスコアもベースラインから悪化していない状態)が認められ、かつ52週時点で臨床的寛解(CDAIが150未満)が認められた患者さんの割合の比較では、ミリキズマブ群はプラセボ群と比較し、統計的に有意に高い結果でした。特に52週時点で臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、ミリキズマブ群で54.1%だったのに対し、プラセボ群では19.6%でした。

また、12週時点でPROによる臨床的改善が認められ、かつ52週時点で内視鏡的改善が認められた患者さんの割合の比較においても、ミリキズマブ群はプラセボ群と比較し、統計的に有意に高い結果でした。

FDAへの承認申請提出を皮切りに、各国の規制当局にも提出予定

安全性に関しては、ミリキズマブの既知の安全性プロファイルと一致しており、重篤な有害事象はプラセボ群の方がミリキズマブ群よりも高い頻度で発現しました。

これらのデータをもとに、同社は2024年に、クローン病を適応としたミリキズマブの販売承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出した後、各国の規制当局にも提出する予定だということです。

(IBDプラス編集部)

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