潰瘍性大腸炎の治療薬「ベルスピティ」、日本で承認取得

ニュース2025/7/1

  • Xでポストする
  • いいね!
  • LINEで送る
  • URLをコピー URL
    copied

1日1回・飲み薬タイプのUC治療薬

ファイザー株式会社は、中等症~重症の潰瘍性大腸炎(UC)に対する治療薬として、スフィンゴシン1-リン酸受容体(S1P1,4,5)調節薬「ベルスピティ錠2mg(一般名:エトラシモドL-アルギニン)」の国内における製造販売承認を取得したと発表しました。

ベルスピティは、S1P受容体(サブタイプ1、4、5)というタンパク質に選択的に働きかけるS1P受容体調節薬。UCを含む炎症性腸疾患(IBD)に対する1日1回の経口投与製剤です。同剤は、UCに対する効能・効果で、2023年10月に米国で承認されて以降、欧州連合、英国、オーストラリア、シンガポール、スイス、イスラエルなどでも承認されています。

中等症~重症UC患者さんに対する有効性と安全性を確認

今回の承認取得は、中等症~重症の活動期UC患者さんを対象とした国際共同第3相試験(ELEVATE UC 52試験、ELEVATE UC 12試験)および国内第3相試験(ELEVATE UC 40 Japan試験)の結果などに基づくものです。

「ELEVATE UC 52試験」は、ベルスピティ2mgまたはプラセボを1日1回、最長52週間投与し、有効性および安全性を評価した試験です。「ELEVATE UC 12試験」では、ベルスピティ2mgまたはプラセボを1日1回、12週間投与しました。どちらの試験でも、ベルスピティの臨床的寛解率はプラセボを上回っていました。また、安全性プロファイルは良好でした。

日本人患者さんを対象とする臨床試験でも良好な結果

「ELEVATE UC 40 Japan試験」では、ELEVATE UC 12試験で12週間投与を完了した日本人患者さんを対象に、ベルスピティ2mgまたはプラセボを1日1回、40週間投与し、有効性と安全性を評価しました。その結果、ベルスピティは40週間(ELEVATE UC 12試験での投与期間を含めると52週間)の治療後、プラセボよりも高い寛解率を示しました。この試験でも安全性プロファイルは良好でした。

同社は「ベルスピティの承認により、既存治療で効果が十分に得られない活動期のUC患者さんに、1日1回、固定用量の経口薬という利便性の高い新たな治療選択肢を届けられるようになった。本剤を1日でも早く届け、患者さんのQOL向上に貢献できるよう、関係各位と連携していく」と、述べています。

(IBDプラス編集部)

この記事が役立つと思ったら、
みんなに教えよう!