【開催レポート】アッヴィ アートプロジェクト「PERSPECTIVES」受賞作品発表および表彰式 7月29日

ニュース2025/8/1

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過去最多の応募作品の中から受賞作が決定

アッヴィ合同会社は7月29日、免疫介在性炎症性疾患の患者さんを対象とした「第5回アッヴィ アートプロジェクト PERSPECTIVES(パースペクティブズ)」受賞作品発表および表彰式を開催しました。

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PERSPECTIVESとは、視点・考え方・物の捉え方という意味。患者さんが疾患と向き合いながら自身で捉えた心と身体の変化や日々感じたこと、新たな目標や希望などをアート作品として自由に表現することを目的としたアートプロジェクトです。

アート作品を多くの人に見ていただくことで疾患を知り、患者さんの理解につなげることを目的として2015年から開催されています。

第5回目となる今回は、過去最多となる126作品もの応募があったそうです。応募者の年齢も6歳(潰瘍性大腸炎)~88歳(リウマチ性多発筋痛症)と、実に幅広いことに驚きました。

また、表彰式では、受賞者ではなく表彰する側である審査員が涙で言葉を詰まらせる場面が何度も見受けられました。

潰瘍性大腸炎患者さんの作品3点をご紹介!

どれも一言ではとても言い表せない「想い」が伝わってくる力強い作品ばかりでしたが、今回は受賞された3名の潰瘍性大腸炎の方のコメントを一部、ご紹介させていただきます。

【優秀賞】古賀綾乃さん(6歳)/作品タイトル「おなかのなかのうみ」(絵画)

古賀さんのコメント:このえは「たくさんお水をのんだら、おなかのかじがきえたらいいのになー」とかんがえてかきました。しょうらいはキャラクターをかんがえるしごとをしたいので、オリジナルのイチゴのさかなとかをかんがえました。かいようせいだいちょうえんでおなかがいたくなることもあってつらいけど、これからもがんばります!

お母さんと一緒に笑顔で表彰式に臨まれていた古賀さん。絵の中の古賀さんも、実際の古賀さんも笑顔がキラキラ輝いていました!「飲んだ水でおなかの火事を消す」という発想が独自の世界観でとてもユニークで、おなかの中の食べ物たちがみんなニコニコしているのも、見ているこちらが幸せな気持ちになりました。

【審査員賞】J.Aさん(17歳 仮名)/作品タイトル「ぼくだけの光と影」(ワイヤーアート)

J.Aさんのコメント:昨年の夏高校2年生にして難病、潰瘍性大腸炎と宣告された。しかし、私自身は難病になって良かったと思う。そう思いたい。私は病気のおかげでこれまでのサビのないピカピカな体、そして13年続けてきたサッカーも何もかもが当たり前ではないと気づけた。高校でのラスト1年、チームメイトと同じ気持ちで同じ目標に向けてボールを追いかける。今なんとかかかっている小さな光を大きく、強く、頑丈にし、今の自分を明るく照らせるようになりたい。いやなる。同病や難病で悩む患者さんが少しでも前向きに、自分のことを肯定できるようになって頂ければと思います。

作品から、難病と告げられ心にも身体にも大きな衝撃を受けたことが伝わってきました。でも、左胸の心臓(こころ)はビー玉のように澄んで、希望の光を放っています。大好きなサッカーを3か月休むことを余儀なくされ、とてもつらかったとおっしゃっていましたが、今はサッカーにも無事復帰し、探究学習ではバリアフリーマップを作成中とのことでした!

【審査員賞】竹原優李さん(23歳)/作品タイトル「希望のかたち」(絵画)

竹原さんのコメント:今まで何事にも完璧を目指して頑張ってきた私にとって、難病を発症したことにより、これまで培ってきた努力が一気に無駄になったようで、無気力な状態が続いておりました。まわりの方々の支えもあり、幼い頃から憧れていた職業として就職はできたものの、長期間の入退院を繰り返し、同世代と同じような生活ができないことに憤りを感じていました。そんなときにこのプロジェクトの応募用紙を見つけ、作品作りを行いました。この作品のように、明るい未来に希望をもって首を長くして待ち、しっかりと自分の体調と向き合いながら今まで以上に人生を楽しんでいきたいです。

首を伸ばして新たな希望をつかみ取りたいという意味なのかなと思いましたが、「明るい未来を、首を長くして楽しみにしている様子」と知り、とても温かい気持ちになりました。完璧主義でとても優秀な方だったからこそ、体調不良で思うように動けないご自身を責めてしまうことがあったかと思いますが、作品はどこから見ても「晴れやか」そのもので、今はもう元の明るい心に戻りつつあるように感じました。

受賞作品はバーチャル空間上の「オンライン美術館」に展示中で、パソコンやスマートフォンで鑑賞することが可能です。この機会に、あなたもアートの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

(IBDプラス編集部)

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