潰瘍性大腸炎評価用AI搭載の内視鏡画像診断支援ソフトウェア発売
ニュース | 2021/2/12
UCの評価において、国内で初めて承認を取得したAI製品
オリンパス株式会社は、大腸の超拡大内視鏡画像をAIで解析し、検査中にリアルタイムで潰瘍性大腸炎(UC)の炎症状態を高精度に評価することで医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-UC(エンドブレインユーシー)」の国内販売を、2月5日より開始したと発表しました。
同ソフトウェアはUCの評価において、国内で初めて薬事承認を取得したAI製品です。昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学、サイバネットシステム株式会社により研究開発され、臨床性能試験を経て、サイバネットシステムが2020年4月27日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得、オリンパスが国内における独占販売権を取得しました。
医師はUC患者さんの炎症活動性の有無を定期的に大腸内視鏡検査で評価し、治療方針を決定します。その際、内視鏡画像での炎症状態の観察に加え、生検による病理診断を行うことで、より詳細な評価を行うことが推奨されています。しかし、UCは炎症が広範囲にわたるため複数か所を生検する必要があり、出血などのリスクや、内視鏡医や病理医の負担増加などの課題がありました。
内視鏡検査中にUCの炎症状態の病理診断を予測、生検による出血などのリスクも軽減
EndoBRAIN-UCは、大腸内視鏡検査中にオリンパス製の超拡大内視鏡を用いて撮影した粘膜をAIがリアルタイムで解析し、UCの炎症状態の評価結果(炎症活動性の有無)を数値で表示。評価結果はリアルタイムで表示されるため、検査中にUCの炎症状態の病理診断を予測し、治療方針の判断をサポートすることが可能だとしています。
また、超拡大内視鏡と狭帯域光法(NBI)の併用により、微細な血管などの情報をAIが解析。高精度の診断支援を行うことが可能で、実際にUCの評価において、NBIを併用した超拡大内視鏡観察は、病理診断との強い相関があることが報告されているそうです。さらに、超拡大内視鏡観察の炎症粘膜にレンズを接触させて観察する特徴を持つため、安定した診断支援が行えるだけでなく、生検による出血など患者さんのリスクも軽減できるとしています。
オリンパスは、「大腸内視鏡診断におけるさまざまなシーンで、AIによる包括的な医師の診断サポートを目指す」と、述べています。AIの助けも借りつつ、大腸内視鏡検査が苦痛のない、安全で手軽な検査となっていくことに期待したいですね!
(IBDプラス編集部)
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