「トレムフィア」皮下注、潰瘍性大腸炎の寛解導入療法について承認申請
ニュース | 2025/3/11
潰瘍性大腸炎の新しい治療薬として期待
ヤンセンファーマ株式会社は、「トレムフィア(一般名:グセルクマブ)」皮下注製剤について、「中等症~重症の潰瘍性大腸炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)の寛解導入療法」を効能または効果とし、製造販売承認を申請したと発表しました。
トレムフィアは、インターロイキン(IL)-23を阻害するIL-23p19モノクローナル抗体。米国、欧州、日本において、尋常性乾癬および乾癬性関節炎などの治療薬として承認されています。米国では、潰瘍性大腸炎の治療薬として2024年に承認されており、現在日本では、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎および成人の中等症から重症の活動期クローン病についても承認申請中となっています。
皮下注導入療法での有効性と安全性を確認
今回の申請は、第3相ASTRO試験の結果に基づくものです。同試験は、従来の治療、生物学的製剤および/またはJAK阻害剤で効果不十分または忍容性が不良だった成人の中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象に、皮下注導入療法でのトレムフィアの有効性と安全性を評価しています。
同試験では、トレムフィアを1回400mgずつ、初回と4週後、8週後に皮下注射し、12週目に効果を評価しました。その結果、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある臨床的寛解を示しました。さらに、内視鏡的改善および組織学的/内視鏡的粘膜改善も確認されました。安全性プロファイルについては、既知の安全性プロファイルと一貫していました。
同社は「トレムフィアは、皮下投与による導入および維持療法を提供する初めてのIL-23p19阻害剤となる可能性がある。承認されれば、新たな治療選択肢と利便性をもたらすことが期待される」と、述べています。
(IBDプラス編集部)