ヘルスケアアプリの活用で、IBDの入院や外来受診が減少
ニュース | 2017/9/15
入力データを学習して最適化
蘭マーストリヒト大学は、炎症性腸疾患(IBD)の自己管理に遠隔医療を用いたところ、標準的な自己管理に比べて患者の外来受診や入院を減らすことができたと発表しました。
オランダにおけるIBD患者は8万人で、患者数は増加中。IBDでは、患者の状態を継続的にモニタリングすることが、疾患活動性をコントロールして合併症を最小限に留めるためにも重要になります。今回の研究では、「My IBD coach」と名付けられたデジタルツールを用いた自己管理法について検討しました。
「My IBD coach」は、慢性的な下部消化管症状を持つ患者をサポートするアプリケーション。患者は自分の状態について双方向的に学習ができ、治療について、医師や看護師などの専門家と相談することができます。専門家は、離れたところにいる患者をモニタリングでき、必要に応じて最適な行動をとることができます。さらに、患者が入力したデータを学習し、治療の進み具合に合わせて最適化されるそうです。
研究には、およそ1,000人の患者が参加しました。そのうち半数が「My IBD coach」を使用。すると、「My IBD coach」を使用した患者群では、使用しなかった患者群に比べて、入院が50%、外来受診も39%減り、薬物治療の遵守状況も改善しました。「My IBD coach」を使用した患者自身も、質の高いケアを受けたと答えました。
同大学消化器内科のPierik氏は、このツールが慢性的な下部消化管症状に悩む患者のケアに寄与することが示唆されたとし、「My IBD coach」のようなヘルスケアアプリケーションが、患者の興味やニーズを見失うことなく、健康管理プロセスの初期において効果的なツールとなると述べています。
(IBDプラス編集部)
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