炎症性疾患の新たな治療ターゲット?
ニュース | 2017/9/20
TNF-αを介した細胞死サイクルの異常が、炎症の原因にも
米デューク大学は、乳がんと関節リウマチのモデルにおいて、Takinibという化合物が選択的にTAK-1を阻害し、細胞死を誘導することを見出したと発表しました。
潰瘍性大腸炎やクローン病の治療薬である「レミケード」や「ヒュミラ」は、抗TNF-α抗体と呼ばれています。TNF-αはサイトカインの一種で、潰瘍性大腸炎やクローン病などの自己免疫疾患では、様々な炎症症状を引き起こす原因となります。その一方で、TNF(Tumor Necrosis Factor:腫瘍壊死因子)の名のとおり、がん細胞を壊死させる作用もあります。
TNF-αを介したシグナル伝達経路で、細胞死を誘導し炎症を抑制するカギとなるタンパク質がTAK-1です。TNF-αの刺激によってTAK-1が活性化すると、本来細胞死に至るはずの細胞が生存してしまい炎症が起こります。研究グループは今回、Takinibという化合物がTAK-1の作用を選択的に阻害し、細胞死を誘導することを確認しました。
研究グループは、「Takinibが腫瘍細胞や炎症細胞のみをターゲットにすることで、TNF-αのよい面を増強する可能性がある」と述べており、Takinibに関する更なる研究を進行中としています。
(IBDプラス編集部)
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