シプロキサン(一般名:シプロフロキサシン)

※このお薬は保険適用外です。

クローン病が進行すると腸管合併症を引き起こし、深い潰瘍があちこちにできるため、瘻孔(ろうこう:腸管同士や腸管と膀胱などが、孔や管でトンネルのようにつながった状態)になりやすいとされています。その初期治療として、抗菌剤が用いられます。また、クローン病では主に肛門周囲膿瘍などの肛門病変に使われることが多くあります。これは、肛門周囲膿瘍が、細菌による感染で起こっている場合があるからです。このお薬は、細菌のDNA合成を阻害して殺菌的・溶菌的作用を示すニューキノロン系の抗菌剤で、一般的によく用いられています。

監修者:薬剤師 小坂信夫

効能・効果

保険適用外ですが、中等症~重症のクローン病の活動期治療、クローン病肛門病変の痔瘻・膿瘍の軽症例(日常生活に支障のない程度の自覚症状)に対しては、切開排膿後の治療に推奨されています(潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 平成28年度改訂版より)。

使用上の注意

  • 処方された際には、必ず、医師や薬剤師から説明を受けてください。
  • 決められた飲み方を必ず守ってください。
  • 以下に該当する患者さんは、使用する前に医師、薬剤師にお伝えください。過去に薬を使用してかゆみ・発疹などのアレルギー症状が出たことがある、腎障害がある、てんかんなどの痙攣性疾患または既往歴がある、重症筋無力症、妊娠または妊娠の可能性、授乳中。
  • この薬を服用中に長時間強い直射日光にあたると、ときに強い日焼けをしやすくなることがあります。
  • 空腹時にカルシウムを多く含む牛乳などと同時に服用すると、吸収が低下し、効果が弱まるおそれがあるので注意してください。

併用注意

他の医療機関で診察を受ける際には、この薬を服用していることを必ずお伝えください。また、他の医療機関で処方された薬があれば、必ず医師にご相談ください。以下のような薬や食品を使用している方は注意が必要です。

  • 飲み合わせの悪い薬:鎮痛薬のケトプロフェン(坐剤)、筋弛緩薬のチザニン。
  • 飲み合わせに注意すべき薬:鎮痛薬のNSAID、アルミニウム、マグネシウム分を含む胃腸薬(制酸剤)、リン吸着薬の炭酸ランタン・セベラマー、抗不整脈薬、気管支拡張薬のテオフィリン、抗うつ薬のデュロキセチン、免疫抑制薬のシクロスポリン・メトトレキサート、抗凝固薬のワルファリン、スルホニル尿素系血糖降下薬、抗パーキンソン病薬のロピニロール、抗精神病薬のクロザピン(クロザリル)、オランザピン(ジプレキサ)、シルデナフィル(レバチオ、バイアグラ)、抗てんかん薬のフェニトインなど。

用法・用量

通常、成人にシプロフロキサシンとして、1日400~800mgを経口服用します。小児では、20mg/kg/日として1日2回、経口か点滴静注し、最大量400mg/日となっています。なお、15歳未満の小児では禁忌とされるため、治療上の有益性を十分に考慮する必要があります(潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 平成28年度改訂版より)。

副作用

副作用は他の薬剤に比べて少ないほうです。主な副作用として、発疹、胃不快感、下痢、嘔気、食欲不振、光線過敏症などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。まれに下記のような症状があらわれますが、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。このような場合は使用を中止し、すぐに医師の診療を受けてください。

  • 呼吸困難、顔面蒼白、冷汗[ショック、アナフィラキシー]
  • 腹痛、頻回の下痢、血便[大腸炎]
  • 手足の筋肉痛、脱力感、赤褐色尿[横紋筋融解症]
  • 発熱、咳、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 発熱、眼や口など粘膜のただれ[中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

コラム

ウイルスは、細菌の50分の1程度の大きさで、細菌のように、“エサ”となるものを見つけて自ら分裂・増殖することはできません。しかし、ヒトなど生物の細胞に寄生し、その細胞がもつ増殖機構に自分のコピーを作らせます。さらにその細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出して、また他の細胞に入り込むということを繰り返すことでウイルスは増殖し、病気を起こします(代表的なウイルスとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなど)。このように、一見似ている細菌とウイルスですが、実際には大きさや仕組みが全く異なるので、ウイルスに抗菌剤は効かないのです。

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