ウパダシチニブ、中等症~重症のクローン病に対する適応追加承認を申請
ニュース | 2022/8/15
関節リウマチやアトピー性皮膚炎の治療薬として承認されているJAK阻害剤
アッヴィ合同会社は8月10日、ウパダシチニブ水和物(以下、ウパダシチニブ)について、既存治療で効果不十分な中等症~重症の活動期クローン病の寛解導入、および維持療法の治療薬として適応追加承認を申請したと発表しました。
ウパダシチニブは、JAK阻害薬と呼ばれる種類の薬で、免疫細胞がもつヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きをブロックし、炎症の原因となる免疫物質「サイトカイン」が作られるのを抑えます。同剤は、既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者さんに対する治療薬として承認されています。また、既存治療で効果不十分な関節症性乾癬(乾癬性関節炎)・アトピー性皮膚炎・強直性脊椎炎に対する治療薬としても、適応追加承認を取得しています。
クローン病はできるだけ早期に治療で疾患をコントロールして寛解を維持し、生活の質(QOL)を高めることが重要です。しかし、現状の治療法では初期治療が奏功しない一次無効や、治療奏功後に時間の経過とともに効果が減弱する二次無効となる患者さんも存在します。こうしたアンメットニーズに応えるため、同社はウパダシチニブを、クローン病を適応症とする1日1回投与の経口剤として開発中です。そして今回、適応追加承認を申請しました。
日本人患者を含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づき申請
今回の申請は、日本人患者さんを含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づいたものです。1日1回45mgを投与する寛解導入療法試験では12週時において、1日1回15mgまたは30mgを投与する維持療法試験では52週時において、プラセボ(偽薬)のグループと比較して、ウパダシチニブのグループで、有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解および内視鏡的改善を達成したということです。
また、安全性に関する試験結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たなリスクは認められなかったとしています。
(IBDプラス編集部)
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