活動期UC対象の維持療法として、ベドリズマブ皮下投与製剤を厚労省に承認申請
ニュース | 2019/8/13
52週時点で46.2%が臨床的寛解、新たな治療選択肢として患者QOL向上にも期待
武田薬品工業株式会社は8月8日、生物学的製剤「ベドリズマブ(製品名:エンタイビオ)」の皮下投与製剤について、中等症~重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する維持療法の治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを発表しました。申請したのは、シリンジ製剤・ペン製剤の両方の剤形です。
今回の申請は、ベドリズマブ皮下投与製剤を維持療法として用いた場合の有効性および安全性を評価した国際共同臨床第3相試験「VISIBLE1試験」に基づいています。この試験は、治療開始時点(0週)と2週時点の計2回、導入療法としてベドリズマブ(点滴静注製剤)を点滴(非盲検下)した後、6週時点で臨床的改善が認められた中等症~重症の潰瘍性大腸炎の患者さん216名を対象に実施されました。
VISIBLE1試験の主要評価項目である「52週時点で臨床的寛解が認められた人の割合」は、プラセボ(偽薬)を注射したグループで14.3%だったのに対し、維持療法としてベドリズマブ108mgを2週間ごとに皮下注射したグループでは46.2%と、統計学的に有意に高い結果を示しました。
参照として、ベドリズマブ300mgを点滴静注したグループとも比較したところ、こちらは52週時点での臨床的寛解率が42.6%だったことから、皮下投与製剤は、点滴静注製剤と同様の結果が得られるとわかりました。さらに、皮下投与製剤の52週時点における有害事象の発現率は、点滴静注製剤と同様の結果だったということです。注射部位反応はベドリズマブを皮下投与したグループの10.4%にみられましたが、いずれも軽度で、投与中止に至った患者さんはいなかったということです。
武田薬品は「今回の申請は、当社にとって重要なマイルストン(プロジェクトの節目)であり、日本の潰瘍性大腸炎に苦しむ患者さんにとって新たな治療選択肢を提供できるものと期待しています。患者さんの希望される投与方法やライフスタイルにあわせた治療方法を選ぶことを可能にすることで、患者さんの多様なニーズの充足とクオリティ・オブ・ライフの向上に、より一層貢献してまいります」と、述べています。
(IBDプラス編集部)
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