世界初、IBD患者さんを対象に「止血剤」を用いた新規治療を実施

ニュース2023/9/19

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消化器内視鏡治療の止血材「ピュアスタット」を応用した治療法

群馬大学の研究グループは、炎症性腸疾患(IBD)に対し、アミノ酸を原料とした「吸収性局所止血材」による新規治療を世界で初めて実施したと発表しました。

今回、研究グループのメンバーである浦岡俊夫教授が考案した新規治療法は、すでに消化器内視鏡治療中の出血を止めるため使用されている吸収性局所止血材「ピュアスタット」を応用した治療法です。

ピュアスタットは生体内に存在するアミノ酸を原料とした止血材で、浦岡教授と株式会社スリー・ディー・マトリックスが開発を進め、日本では厚生労働省の薬事承認を取得し、2021年12月より保険償還品として同社が販売。欧米をはじめ、全世界で累計約8万本が使用されています。

同製品は、がん切除後の障害を受けた組織に塗ることで、障害部位の治癒を促進する効果が臨床研究で示唆されていました。その後、IBDの動物モデルでも有効性が示唆されたことから、今回、特定臨床研究として有効性と安全性を検証することになったそうです。

特定臨床試験で有効性と安全性が確認されればIBD患者さんの大きな福音に

すでに第1例目の投与が開始されており、第2例目も予定されています。研究グループは「潰瘍性大腸炎の治療では複数の薬が組み合わせて使用されているが、局所での組織修復を促進させる薬は無いため、本治療法で有効性と安全性が確認されれば、潰瘍性大腸炎の患者にとっては大きな福音となる」と、述べています。

止血剤がIBD治療に役立つとは驚きですね!今回の臨床試験で潰瘍性大腸炎大腸炎に対する有効性と安全性が確認され、クローン病でも使えるようになってくれることを願います。

(IBDプラス編集部)

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