武田薬品の新しいIBD治療薬、ヨーロッパの学会で最新の解析結果を発表
ニュース | 2018/3/2
欧米で発売中のEntyvioの治療効果に関するデータ
2018年2月14日~17日に、オーストリア・ウィーンで第13回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)が開催されました。武田薬品工業株式会社は、ECCOで同社の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬Entyvio(R)(一般名:vedolizumab)に関する新しいデータを発表したことを明らかにしました。
Entyvioは、消化管で炎症が起こるプロセスに関わるとされるα4β7インテグリンの働きを妨げ、消化管の炎症を抑える治療薬。2014年にアメリカとヨーロッパで承認を受け、抗TNFα抗体や免疫調節薬での治療で効果が出ない潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病患者(CD)に対して使われています。今回ECCOで発表されたのは、Entyvioで治療した患者と抗TNFα抗体で治療した患者の、治療の効果を比較した結果です。
内視鏡で治療の効果を確認した試験の結果も発表
発表されたのは、中等症から重症のUC患者334例と、CD患者538例のデータ。このうちEntyvioでの治療を受けたのは、UC患者167例とCD患者269例です。治療開始から3か月(12週間)の時点で、症状が寛解した割合(UC:54%対37%、CD:38%対34%)、腸の粘膜にある潰瘍やびらんがなくなった割合(UC:50%対42%、CD:50%対41%)、治療を開始した時点で使っていたステロイドを1か月(4週)以内に中止しても寛解した割合(UC:49%対38%、CD:26%対18%)のいずれにおいても、Entyvioで治療を受けた患者のほうが高くなっていました。
さらに、ECCOで同社は、重症のCD患者を対象とした別の臨床試験の結果も発表しました。Entyvioの治療を開始して半年(26週間)で、患者の15%で腸の粘膜の潰瘍やびらんがなくなり、12%では内視鏡で寛解していることを確認。寛解ではないものの、内視鏡でみて治療の効果が認められた患者も25%いたという結果でした。
(IBDプラス編集部)
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