潰瘍性大腸炎患者のサイトメガロウイルス感染、治療への影響は?
ニュース | 2018/4/27
サイトメガロウイルスへの感染で、入院期間と治療費が増える
胎児や乳幼児のうちに感染し、目立った症状が出ることなく生涯にわたり潜伏することも多いサイトメガロウイルス感染症。体調が悪化したり、免疫機能が低下すると、重篤な症状が出ることもあります。アメリカのベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターの研究グループは、サイトメガロウイルスへの感染が潰瘍性大腸炎患者の治療にどのような影響を与えているかを検証した研究結果を発表しました。
研究は、米国の全国入院患者情報のデータをもとに、2006~2012年の間に潰瘍性大腸炎またはサイトメガロウイルス感染症と診断された患者を対象に行われました。その結果、潰瘍性大腸炎およびサイトメガロウイルス感染症の患者は145例で、サイトメガロウイルス感染症ではない潰瘍性大腸炎患者32,290例に比べ、入院期間が長く(16.31日対5.52日)、治療費も高くなり(111,835.50ドル対39.895ドル)、退院後も支援が必要なケースが多いことがわかりました(支援が必要ない患者の割合50.0%対81.83%)。
サイトメガロウイルス感染症だけの患者はほかの病気も多い
詳しく分析すると、サイトメガロウイルスへの感染は、医療費の増加や入院期間の長期化に関連する要因であることが明らかになりました。なお、大腸の手術が必要になるかどうかには、サイトメガロウイルスへの感染は影響していませんでした。一方、潰瘍性大腸炎でサイトメガロウイルス感染症の患者は、潰瘍性大腸炎ではないサイトメガロウイルス感染症の患者(14,960例)と比べて、ほかにも病気を抱えている割合が少なく、入院中に死亡する割合も低いことが確認されました。
研究グループは、潰瘍性大腸炎患者がサイトメガロウイルス感染症を合併することは、入院期間の延長や治療費増大という影響はあるものの、潰瘍性大腸炎以外の病気がサイトメガロウイルス感染症を合併する場合ほど、悪い影響があるとはいえないようだとしています。
(IBDプラス編集部)
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