5-ASA製剤が合わずアザニンを試すことに。今後もずっと飲み続ける必要はありますか?
医師と患者のお悩み相談 | 2026/2/6
下痢が3か月続き、潰瘍性大腸炎と診断されました。粘液や血便はこれまでも無しです。最初はリアルダを試して頭痛、胸の痛み、首の痛みが酷く下痢が再び起こり中止。アサコールを試し同じ症状が出て中止。アザニンを試すことになりました。遺伝子検査の結果が出るまで投薬無し。食事に気をつけて過ごし、排便は多くて2回。今は下痢もなく健康な便です。「今は元気でも薬は飲む必要がある」とのことで、今日、遺伝子検査に問題はなく、アザニンを最初は半錠で16日間試して様子を見るそうです。「これが合わないと高い薬を飲むしかない、副作用が少し出ても我慢して飲んで」と言われました。合う合わないも気になりますが、アザニンはずっと飲み続けないといけない薬なのでしょうか?やはり副作用が気になり不安です。
(ちおさん 潰瘍性大腸炎歴1年未満)


IBD連携専門医
三枝先生からの回答
アザチオプリン(商品名:アザニン)は、潰瘍性大腸炎では寛解維持(症状がないか、または少しあるか)に有効な薬で、急激に良くしてくれる薬ではありません。やはり特効薬の第一選択肢はステロイドの短期内服です。ではなぜ今回アザチオプリンを主治医の先生が使用されたのかですが、潰瘍性大腸炎の患者さんがほぼ継続して内服する、リアルダ、アサコールに代表される5-ASA薬が副作用で使えない体質(5-ASA不耐)だからだと思います。アザチオプリンは、遺伝子検査で体質に合っているかどうかがある程度わかります。また、副作用がなければ生涯使用しても、ほぼ問題ありません。症状はなくても大腸粘膜に炎症があれば、大腸がんのリスクや症状が再度悪化するリスクもあります。
ここで、私も悩むのですが、アザチオプリンには遺伝子検査では予想できない副作用が出る場合があります。短期的副作用として嘔気・肝障害・膵炎、長期副作用としては、感染症・皮膚がん・悪性リンパ腫です。そのため、私はアザチオプリンを処方する際は、遺伝子検査をしても同剤の使用について、詳しく説明します。
また、症状がほとんどないけれど大腸粘膜に炎症がある患者さんに薬を処方することについても悩みます。そもそも生活をする上で何も困っていない患者さんに薬を処方して、その人のためになるかというのは、大変難しい問題です。私は大腸がんや再燃のリスクを説明して、納得していただければ処方を継続します。ちおさんの場合は、もう一度、主治医の先生と相談して、1年程度薬を中断して、経過観察して症状の再発があるか大腸粘膜に炎症が継続していくのかを再検査し、薬を内服する必要があるのかを決めるのも選択肢の一つかと思います。
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2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課
2025年 深川ギャザリアクリニック 副院長
2025年 淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長
<学会資格>
日本炎症性腸疾患学会 IBD連携専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医
【三枝先生のIBD診療】
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