クローン病と過敏性腸症候群

医師と患者のお悩み相談2018/4/27

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クローン病についてお教え下さい。
内視鏡検査をして、例え回腸末端に炎症があったとしても生検の結果が大丈夫であればクローン病ではないと解釈していいのですよね?
また、クローン病を発症した場合は治療を開始するまで症状はずっと続き、一時的によくなることもないですよね…?
先生はおそらくクローン病を疑われたのでしょうが、私に余計な心配はさせまいとする配慮だと思いますが、クローン病という言葉も出てこなければ、かといって過敏性腸症候群など精神的なことからくるものでしょう、とも何とも言われずもやもやしています。
結構な回数病院に通いましたが、未だに調子がよかったり悪くなったりの繰り返しです。ちゃんと安心がしたいです。どうか宜しくお願いいたします。(20代/女性)

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A先生からの回答
消化器内科

A先生

なかなか難しい問題です。
まず回腸末端部の炎症は、クローン病や腸管ベーチェットなどの特異的な炎症性腸疾患以外にも、エルシニア、カンピロバクター、サルモネラなどの細菌性腸炎や、なかなか原因の特定できない非特異的回腸末端炎も少なくありません。
またさらに難しいのは、クローン病の初期には内視鏡的にも典型的な画像所見が無いこともありますし、病理組織診断においても典型的な病理所見が得られないことも少なくないのです。
あなたのこれまでの臨床経過が把握できませんが、もし強い症状がなければ、今後の経過を見ながら、大腸内視鏡で回腸末端部の再検を行うのが良いように思います。
もしきちんと調べたいというのであれば、消化器専門病院であれば、小腸内視鏡の相談をされても良いでしょう。
御参考になれば幸いです。

質問者さん

回答ありがとうございます。
先生の回答を拝見して、はっとさせられました。もしよろしければただの戯れ言と思って聞いて頂ければと思います。
実は内視鏡検査を行ったのは5ヶ月ほど前です。元々よくお腹をこわしてはいたのですが、今年に入って吐き気が加わったので受診しました。検査結果を聞いてからは自分自身でストレスが原因かな、と思っていました。それからも度々お腹が痛くなったり下痢したりでしたが、まぁ仕方ないかとそれほど気にしてはいませんでした。ですが、便意がきたと思ったら強い腹痛が同時に起こったり、腹痛に加えて粘液が一緒に出てくるな~と思っていたら歩けないほどの腹痛に襲われたりで、本当にストレスなのか?と思うようなこともあります。ずっと続くわけではないので病院へ行くか迷いましたが、薬ももうないなと思い病院へ行ったところ、妙に首をかしげておられたので逆に不安になり安心したくて質問させて頂きました。処方してもらった薬を服用すると数日間は変わらなくても、1週間後にはよくなったりします。ですがまた今日は粘液付きの下痢気味で、もう自分でもわけがわからない状態です。

A先生

戯れ言だとは思いませんよ。自分の体や健康のことを心配されるのは大切なことです。
回腸末端の炎症の程度、内視鏡像が分からないので、ちょっとこれは置いておきます。
前回の内視鏡は、5ヶ月前とのことですが、この時点では大腸には特に異常所見は無かったのですか?
現在は下痢や腹痛に悩まされているようですが、5ヶ月前よりも症状が強くなってきているのでしょうか?
もしそうであれば、もう一度、現在の状況を評価する意味で、大腸内視鏡を再検しても良いと思います。またそうすれば、回腸末端の再検もできます。
内視鏡の再検を行っても、大腸に大きな問題が無く、回腸末端も増悪が無いのであれば、過敏性腸症候群として治療をしてみることも悪くないと思います。
過敏性腸症候群には、いくつか有用な薬があります。慌てずにいくつかを症状を見ながら、試行錯誤して、御自身に合う薬を見つけ出していくと良いでしょう。
消化器内科の担当医と、その辺をゆっくり相談してみてはいかがでしょうか。
御検討下さい。

質問者さん

5か月前の時点では大腸はきれいだと言われました。ただ、大腸内視鏡の前に胃の内視鏡もしましたが、胃には軽いけどちょっと炎症があるね〜と言われました。関係ないですかね…。
症状は5か月前に比べると痛みは強くなっていると感じています。今がいつ強い腹痛がくるかわからないとびくびくしている部分もありますので、安心するためにももう一度検査してみようと思います。そして過敏性腸症候群でも自分に合う薬を病院の先生と相談しながら見つけていきたいと思います。
どうも自分で症状を調べてみても精神的なことが原因でもあるようで、一方的にもやもやが積もるだけでした。先生のご意見を聞いて、もやもやもだいぶ晴れました。お忙しい中本当にありがとうございました。

A先生

クローン病は口から肛門まで、どこにでも病変ができる可能性があります。
その意味で口から十二指腸までは、クローン病らしい所見は無かったということでしょう。
もう1つは肛門病変も重要です。頻度が高いのは痔瘻です。
大腸内視鏡の再検で問題なければ、過敏性腸症候群として治療してみましょう。
薬はたくさんあります。必ずあなたに合う処方も見つかります。
焦らず、じっくり自分のお腹とおつき合いしましょう。
お大事にして下さい。

質問者さん

お返事ありがとうございます。
痔はありますが痔瘻は発症していないので少々安心しました。
過敏性腸症候群と一言でいっても様々な薬があるのですね。
まずは再検査ですね。どちらにしてもゆっくりでも自分のお腹と向き合ってみます。
色々と参考になりました。ご助言いただきありがとうございました。

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