JAK阻害剤の効果が見られず…ステロイドもムーンフェイスが嫌で使いたくありません

患者は私の娘です。ちょうど1年前に全大腸型の潰瘍性大腸炎にかかりました。5-ASA製剤から始まり、全く効果無く重症になり入院。絶食からステロイドで落ち着いて、退院後6月頃にまた悪化(薬は継続)。そして何種類かの薬も効果なく、エンタイビオを始めましたがそれも効果なく、現在はジセレカを使用していますが、始めてから2週間経過しても腹痛が続き、便も血が混ざったような茶色の下痢。血液検査の炎症反応も上がってて、でも病院では「ジセレカを使ってからまだ日が浅いし、厚生労働省の見解で、すぐには次の薬に変えられない」とのこと。

まだ23歳の女性なので、ステロイドで顔が丸くなるのも嫌で使いたくない状態です。このままだと大腸全摘出か人工肛門になってしまうのではないかと、もうかなり落ち込んで、うつ病になりそうで心配です。明るい話題がなく、親の方もどうしてあげたらいいか分かりません。 何か打開策はないでしょうか?
(ダボ8さん お子さんが潰瘍性大腸炎歴1年)

三枝先生

IBD連携専門医
三枝先生からの回答

まずは、効果の早さと、炎症を確実に抑えてくれて、長年の歴史のあるステロイドが選択肢にはなりますが、若い女性であると肥満、ニキビ、顔が丸くなる副作用(ムーンフェイス)の副作用も嫌ですよね。一度ステロイド治療しても症状が軽快していないなら、ジセレカに代表されるJAK阻害薬も選択肢の一つになります。しかし、ジセレカは2週間ではまだ効果が出てこない可能性もあります。もしも月単位で効果が出なければ、リンヴォックやゼルヤンツなど、他のJAK阻害薬に変えてもらうのも選択肢になります。それからJAK阻害薬には妊娠すると、赤ちゃんへの影響が出る可能性がありその点も女性は主治医の先生と必ずご相談ください。ちなみに厚生労働省から短期間で治療を変更してはいけないといった見解については、私は存じ上げません。

近年の内科治療は多様にあり、特に今後妊娠の可能性のある女性は、生物学的製剤の使用について、主治医の先生とよく相談ください。また、内科治療で症状が改善しない場合は外科的な大腸全摘手術となりますが、当然ですが避けたいと思われることでしょう。しかし、手術には良い点もあります。排便回数は5~10回程度になりますが、血便、腹痛、発熱の症状は楽になることが多いように思います。お大事にしてください。

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三枝陽一先生
淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長
三枝陽一先生
2001年 北里大学医学部卒業。北里大学病院 内科研修医
2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課
2025年 深川ギャザリアクリニック 副院長
2025年 淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長

<学会資格>
日本炎症性腸疾患学会 IBD連携専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医

【三枝先生のIBD診療】
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お問い合わせ:042-754-2222(代表)/予約センター:042-754-3271