IBDお悩み解決ドクター・三枝陽一先生が語る「患者さんに知ってほしい、大切なこと」

潰瘍性大腸炎2019/9/4

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IBDプラスでかねてから問題視している「主治医にセカンドオピニオンを言い出せない」問題。そんな患者さんたちのお役に少しでも立てるなら…と、「IBD専門医のお悩み相談」の回答者として名乗りを上げてくださった、JCHO相模野病院消化器内科部長・三枝陽一先生。おっとりとした優しい雰囲気でありながら、IBD診療に情熱を燃やす三枝先生の熱い想いを伺いました。

JCHO相模野病院消化器内科部長・三枝陽一先生

――先生がIBDに興味を持ち、専門医を志すようになったきっかけがあれば教えてください。

近年、IBD患者数が急増したこと、そして、IBDには若い患者さんが多いということがあります。勉学、仕事、遊びなど、新しいことをたくさん吸収し、好きなことに思う存分挑戦できるはずの人たちが、発病を機に、いろいろなことを制限され、力を十分に発揮できなくなってしまっています。一方で、きちんと治療すれば病気がコントロールできる、寛解に持ち込める新薬が、ここ数年でたくさん登場し、IBD治療は昔に比べ、劇的に変化しています。これらをふまえ、「自分がIBD専門医として患者さんと向き合い、知識を伝え、正しい治療を行っていくことで、患者さんのお役に立てるのではないか」と考えるようになりました。

北里大学病院大学病院の消化器内科で研修して、いろいろなことを学ばせていただきました。当時はまだ今ほど良いIBDの治療法がなく、一般内科医になろうと考えていました。しかし、その後、新しい薬がどんどん出始めて、重症の患者さんでも寛解導入できるようになってきたのです。その中でも、IBD専門医になる一番大きなきっかけとなったのは、やはり、「生物学的製剤の登場」ですね。

――現在、日本における潰瘍性大腸炎患者数は20万人以上、クローン病患者数は約7万人と言われています。また、男女ともに10~20歳代の若年発症が多いというのも大きな特徴ですが、患者さんからどのような相談を受けることが多いですか?

治療についてはもちろんですが、それ以外では「学業や仕事との両立の仕方」に関する相談が非常に多いですね。通院が頻回になったり、入院したりとなると、どうしても学校や会社を休む必要が出てきます。そのような場合にどうしたら良いのか、通院頻度を減らしてはダメなのかというような相談も多いですね。また、「学校のイベントに参加するにはどうすれば良いか」「修学旅行に行けるのか」などといった相談が、患者さんのご家族からあることも多いです。

その方の病状にもよりますが、できるだけ今の生活を崩さないように最善を尽くしたいと考えています。生物学的製剤でも、2か月に1度の投与でよいものや、自宅で投与(自己注射)できるものもありますので、患者さんの生活スタイルに合った治療を提案するようにしています。

また、就労の相談に対しては、私自身保健所の疾病対策課での仕事を行っていますので、「難病患者さん向けの職業安定所」を紹介することもあります。

――お忙しい中、先生が「IBD患者さんの悩み相談を受けよう!」と決意した理由をお聞かせください。

「IBDという病気を1人でも多くの人に知ってもらいたい」という気持ちが一番の理由ですね。IBDは、最近メディアなどでも取り上げられるようになり、少しずつ認知されてきたものの、まだまだ認知度の低い病気です。IBDという病気の存在を知らなかったために、下痢や血便が続いているのに放置し、ひどくなってから来院するというケースも珍しくありません。また、医療者側の知識が十分でないために、「整腸剤しか処方されない」「ステロイドを長期にわたり漫然と処方されている」という患者さんも、多く存在します。

何らかのきっかけでIBDプラスを訪れた人、あるいは自身の治療に不安を持ってIBDプラスを訪れた人が、お悩み相談を見て、何かに気付き、学び、「ずっと下痢が続いているから専門病院で検査を受けてみよう」「今の治療以外の選択肢はないのかセカンドオピニオンを受けてみよう」など、新しい行動を起こすきっかけとしてくれたら嬉しいですね。

――悩み相談を受けるうえで、先生ご自身心がけていきたいことはありますか?

「IBD治療薬は、正しく使えば決して怖い薬ではない」ということを、きちんと伝えていきたいですね。副作用が怖くて新しい治療に踏み出せないという患者さんもいますので、正しく理解してもらえたらと思います。

――最後に、このコーナーへ興味を持ち、質問を寄せてくださるIBD患者さんへのメッセージをお願いいたします。

IBDは現在のところ、原因不明の疾患です。その現実と向き合い、治療を続けていく辛さはいかばかりかとお察しします。ですが、しっかり治療をすれば、仕事も学業も家族との生活も続けていけますし、イベントや旅行を楽しむ毎日が取り戻せるのだということを、一人でも多くの人に知っていただきたいと思います。

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三枝陽一先生
JCHO相模野病院 消化器内科部長
三枝陽一先生
2001年 北里大学医学部卒業。北里大学病院 内科研修医
2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課

<学会資格>
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医

三枝先生のIBD診療時間
月曜日:13:30~15:00
火曜日:9:00~11:30
水曜日:9:00~11:30
お問い合わせ:042-752-2025(代表)
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