腸の難病研究への応用も。国立成育医療研究センターと大日本印刷が「ミニ腸」を使った共同研究を開始
ニュース | 2017/10/20
生き物の腸によく似た機能をもつ「ミニ腸」
国立成育医療研究センターと大日本印刷株式会社は、生き物の腸に近い特性をもった立体的な臓器「ミニ腸」を、薬の開発に役立てるための共同研究を開始すると発表しました。
「ミニ腸」は、筋肉が収縮することで消化した食べ物が腸内を移動する「ぜんどう運動」や、消化した食べ物の「吸収」、消化酵素などの物質の「分泌」といった、生き物の腸によく似た機能をもっており、人間が下痢や便秘の際に使用する薬剤に対しても、生き物の腸と同じように反応することが確認されています。こうした特徴からこの「ミニ腸」は、腸の難病の研究や薬の開発への応用が期待されます。
2022年の供給開始を目指す
薬の開発では現在、細胞を使って研究が行われています。こうした細胞は、実際の生き物の臓器とは機能の面で多くの違いがあり、正確な研究を行うことを難しくしていました。より精度の高い研究を行うために、「ミニ腸」のような立体臓器を用いた研究の実用化が期待されています。
「ミニ腸」の製造には、国立成育医療研究センターのiPS細胞などを扱う最先端の技術と、大日本印刷の印刷技術を活用。今後は安定的に製造・共有できる体制づくりを進め、2022年の供給開始を目指すとともに、「ミニ腸」の特徴を生かした「次世代臓器チップ」の開発と活用法についても研究を進めたいとしています。
(IBDプラス編集部)
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