ウパダシチニブ、クローン病対象の第3相維持療法試験で1年時に評価項目を達成

ニュース2022/6/6

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ウパダシチニブを使用した多くの患者さんが臨床的寛解、内視鏡的改善・寛解を達成

アッヴィ合同会社は6月1日、ウパダシチニブ水和物(以下、ウパダシチニブ)について、既存治療または生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった中等症~重症のクローン病の成人患者さんを対象としてウパダシチニブを評価する第3相維持療法試験「U-ENDURE試験」の結果を発表しました。

ウパダシチニブは、免疫細胞がもつヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きをブロックし、炎症の原因となる免疫物質「サイトカイン」が作られるのを抑える低分子のJAK阻害薬です。同剤は、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、関節症性乾癬をはじめ、複数の疾患を対象とする第3相試験が進行中です。クローン病に対する使用については、まだ安全性および有効性の確認中で、規制当局に承認されていません。

同試験では、以前に「U-EXCEED試験」および「U-EXCEL試験」に参加し、ウパダシチニブ45mgを経口投与する12週間の寛解導入療法で効果がみられた患者さんを、ウパダシチニブ15mg、ウパダシチニブ30mg、プラセボをそれぞれ投与するグループに無作為に振り分け、評価を行いました。また、臨床的寛解はクローン病活動性指数(CDAI)または排便回数/腹痛スコア(SF/AP)に基づき評価しました。

その結果、52週時にプラセボ投与のグループと比較して、ウパダシチニブ投与(15mgまたは30mg)のグループで、有意に高い割合の患者さんが臨床的寛解、内視鏡的改善、内視鏡的寛解を達成したということです。

安全性に関してもこれまでとおおむね一致し、新たなリスク認められず

また、安全性に関する試験結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たなリスクは認められなかったとしています。

同社は「今回の結果は、これまで既存療法や生物学的製剤などの治療選択肢で症状の緩和がみられなかった患者にとっては特に大きな意味を持つであろう、有望なものだ」と、述べています。

(IBDプラス編集部)

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