潰瘍性大腸炎のサイトメガロウイルス腸炎に、抗ウイルス治療が有効なことが判明
ニュース | 2018/5/18
潰瘍性大腸炎の増悪因子「サイトメガロウイルス」
潰瘍性大腸炎(UC)の増悪因子と考えられているサイトメガロウイルス(CMV)。サイトメガロウイルス腸炎は、ヘルペスウイルスの一種であるサイトメガロウイルスの再活性化によって腸管に炎症が起こります。米国のCenter for Inflammatory Bowel DiseaseのWang Y氏らは、サイトメガロウイルス腸炎を合併した潰瘍性大腸炎患者における抗ウイルス治療の役割と、その治療の経過や効果でのサイトメガロウイルスの役割について検証した研究結果を発表しました。
研究は、1990~2013年にかけて大腸生検とサイトメガロウイルスの検査を実施した患者1,478例のなかから、潰瘍性大腸炎患者41例(抗ウイルス治療を受けた人24例、未治療17例)を対象に、患者の背景データ14項目と、臨床転帰4項目(無手術生存率、入院率、再入院率、死亡率)について、サイトメガロウイルスの状態に基づき比較しました。
外科手術なしでの生存率が改善し、その状態が継続
その結果、治療の有無や臨床転帰に差はほとんどみられなかった一方で、抗ウイルス療法が30日以内の無手術生存率を改善し、その状態が70か月間持続することがわかりました。
研究グループは、潰瘍性大腸炎患者において、サイトメガロウイルス腸炎に対する抗ウイルス治療が、短期および長期の無手術での生存率を改善することがわかったとしています。
(IBDプラス編集部)
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