潰瘍性大腸炎の再燃。ステロイドを提案されたがコロナ禍で使うのが怖い…
医師と患者のお悩み相談 | 2020/9/21
2年ほど前に潰瘍性大腸炎と診断されリアルダを服用しております。発症後、リアルダ服用(2錠)で寛解状態でしたが、3週間ほど前から再燃してしまいました。排便3回程度、下痢はなし、出血、粘液が排便にかかわらずおならとともに出てしまう状態です。かかりつけ医に相談の上リアルダ4錠に増やし様子を見て2週間ほど経ちますが改善されません。来週受診予定ですが、改善が見られないようであれば、ステロイド投与の形を取りたいと言われております。ステロイドに対して不安があり、相談させていただきたいのですがステロイドの副作用として免疫低下とあります。コロナ禍の中で短期間であったとしてもステロイドを使うのは免疫低下させ危険でしょうか。個人的にはステロイドを使用せず、様子を見たい気持ちでいます。ご回答をお願いいたします。
(20代/女性)
(20代/女性)
A先生からの回答
消化器内科
A先生
潰瘍性大腸炎の治療で重要な点は、病態の正確な把握です。病変の拡がりによる病型分類(全大腸炎・左側大腸炎・直腸炎・右側あるいは区域性大腸炎)、臨床的重症度による分類(重症・中等症・軽症)、病期の分類(活動期・寛解期)、臨床経過による分類(再燃寛解型・慢性持続型・急性激症型・初回発作型)などがあります。
あなたの潰瘍性大腸炎の病型と重症度が分かりませんが、これらの病態により、治療法選択が異なります。
たくさんの治療選択肢があるなかで、ステロイドが必要な病態なのかどうかは内視鏡所見も不明ですので、判断困難です。
ただ仮にステロイドが必要であっても、長期投与が必要なのかどうかも不明です。
コロナウイルス感染も懸念されますが、潰瘍性大腸炎の病態の悪化も懸念されます。
しかし患者さんが望まない治療は強制されませんし、拒否も可能です。ご安心ください。
質問者さん
ご回答ありがとうございます。
説明が不足しており、失礼しました。
発症部位は左側大腸炎、軽症~中等症の間、再燃寛解型です。リアルダを服用後は出血もなく落ち着いていたため今回の再燃にはかなりショックを受けました。それもありステロイドにはとても抵抗感があり調べれば調べるほど副作用が恐ろしくなってしまっていました。他の方も回答してくださっているようにコロナへの罹患を心配するよりも潰瘍性大腸炎の治療に専念すべきだなと感じました。懸念している免疫の低下ですが、投与量や薬の形態にもよるかと思いますがどれくらいの期間使用すると免疫低下に影響を及ぼすのでしょうか。たびたびの質問となり申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
A先生
お役に立てず申し訳ありませんでした。
あなたがステロイドに不安があり、十分な潰瘍性大腸炎に対して、十分な医療体制がない状況であれば、ステロイド投与に同意されるのが良いのかどうかは判断できません。
あなたの主治医の診療能力やどの程度の潰瘍性大腸炎の診療実績のある炎症性腸疾患の専門医療機関か不明ですので、一般的な治療方針だけ示します。
中等度の再燃と考えれば、通常ステロイドについては、中等症でプレドニゾロン1日30~40mgを投与して、再寛解導入をはかります。
リアルダの投与量も不明ですが、再燃時では1日1回4,800mgを投与します。
プレドニゾロンの減量に伴って増悪または再燃が起こり離脱も困難な場合をステロイド依存例と言います。プレドニンをいくらまで減量したら外来という規則はありません。また投与期間にもよりますが、通常は20mgまで減量してからの方が安全です。
特にあなたの懸念しているように、コロナウイルスなどの感染に対しては注意が必要ですので、ステロイドによる寛解導入は入院が安全です。
免疫調節薬であるアザチオプリン(イムラン、アザニンなど)50~100mg/日または6-MP(ロイケリン)30~50mg/日の併用を検討します。これらの効果発現は比較的緩徐で、1~3か月を要することがあります。これが有効で副作用がない時は、上記の免疫調節薬を開始して1~2か月後に経口プレドニゾロンを徐々に減量、中止を行います。
上記で効果不十分あるいは免疫調節薬不耐例で活動期には、血球成分除去療法やタクロリムス経口投与やインフリキシマブの点滴静注(レミケード)やアダリムマブ皮下注射(ヒュミラ)・ゴリムマブ皮下注射(シンポニー)を考慮します。
しかしこれらの再寛解導入は、しっかりとした病態把握を行い、適切な治療選択を炎症性腸疾患専門医に導入していただきましょう。
早急にプレドニンを減量すれば、何度も何度も再燃させて、大腸粘膜を荒廃させてしまいます。
以上、概略を記載しましたが、主治医と時間をかけて相談して、治療を受ける気持ちに変わったら、炎症性腸疾患専門医を紹介していただきましょう。
質問者さん
ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
かかりつけ医と相談の上、薬の変更について検討して行きたいと思います。また今後、炎症性腸疾患専門医に相談してみようと思います。
B先生からの回答
呼吸器科
B先生
もし炎症の範囲が直腸周辺に限られているようでしたら、ステロイドの座薬を使うことで効果が期待できます。座薬の場合は全身的な副作用は内服に比べ、かなり少なくなります。
一方で広い範囲の大腸に炎症があるようですと、やはり内服ステロイドを用いる必要があります。多量を長期間服用していると、ご心配の免疫力低下がおこりますが、まずは潰瘍性大腸炎をしっかりと鎮めることが重要です。
質問者さん
ご回答いただきありがとうございます。炎症の範囲は、左側大腸炎型ですが直腸付近がより強く炎症を起こしているような状況です。座薬だと副作用が経口と比べ低いとのことホッといたしました。
ちなみに長期間使用すると免疫低下するとのことですが長期間とはどのくらいの期間なのでしょうか。薬の種類や投与量によっても違いはあるかと思いますが、判断材料として教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
B先生
大雑把な言い方になるかもしれませんが、数か月単位で内服を継続した場合に免疫力低下の問題が生じ得ます。2週間前後などであれば、高用量のステロイドでもあまり問題になることはありませんよ。
質問者さん
ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
短期間であれば問題ないとのこと、安心いたしました。かかりつけ医と相談の上、ステロイドの導入を検討しようかと思います。ありがとうございました。
C先生からの回答
消化器内科
C先生
左半結腸型の潰瘍性大腸炎であれば、ステロイドは全身投与ではなく、スプレーや注腸で良いと思います。そうすれば、副作用は少ないでしょう。
質問者さん
ステロイドと言ってもそれぞれ副作用の度合いが異なるのですね。次回受診時にその点も併せてかかりつけ医に相談いたします。早急にご回答いただきありがとうございました。
D先生からの回答
消化器内科
D先生
ステロイドの危険より、悪化した潰瘍性大腸炎を放置する方が、よっぽど危険です。
しっかり治療しましょう。
質問者さん
どちらを優先すべきか悩んでいたので、潰瘍性大腸炎の方を優先して治療に専念します。早急にご回答いただきありがとうございました!