ウパダシチニブ、活動期成人UC患者に対する治療薬としてFDAとEMAに承認申請
ニュース | 2021/10/12
リウマチなどの治療薬として使われているJAK阻害薬、UCでは未承認
米アッヴィ社は、ウパダシチニブ15mgおよび30mg(維持療法時の用量)、並びに45mg(導入療法時の用量)について、中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)に、それぞれ承認申請を提出したことを発表しました。
ウパダシチニブは、免疫細胞がもつヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きをブロックし、炎症の原因となる免疫物質「サイトカイン」が作られるのを抑えるJAK阻害薬。現在、成人のリウマチ、関節症性乾癬、活動性強直性脊椎炎の成人患者さんに対する治療薬として承認されています。また、潰瘍性大腸炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、体軸性脊椎関節炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とする第3相試験が進行中です。ウパダシチニブの潰瘍性大腸炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
3つの臨床試験で臨床的寛解を確認、安全性に関する重要なリスクも認められず
今回の申請は、2つの第3相導入療法試験および1つの維持療法試験から得られたデータに基づいています。1日1回45mgを投与する導入療法試験では8週時において、1日1回15mgまたは30mgを投与する維持療法試験では52週時において、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づく)、および全ての副次評価項目を達成したそうです。
導入療法の45mg投与群を含め、これらの試験におけるウパダシチニブの安全性の結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと全般的に一致しており、安全性に関する新たな重要なリスクは認められなかったとしています。
同社は「潰瘍性大腸炎患者さんに対して、ウパダシチニブが新しい重要な治療選択肢となる可能性があります。規制当局と連携し、1日も早くウパダシチニブを潰瘍性大腸炎患者さんにお届けできることを心待ちにしています」と、述べています。
(IBDプラス編集部)
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