日本人の大麦摂取による「耐糖能改善」と関連する腸内細菌叢を一部解明

ニュース2022/9/2

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大麦が日本人の腸内環境と耐糖能に与える影響は?

株式会社はくばくと株式会社メタジェンは、大麦摂取による「耐糖能」改善効果が、個人の腸内環境に影響されることを明らかにしたと発表しました。

耐糖能とは、食後などに上がった血糖値を正常値まで下げる能力のことです。これまで、大麦の摂取による血中コレステロールや耐糖能改善効果などが報告されていました。大麦に含まれる有効成分の一つに水溶性食物繊維「β-グルカン」があります。β-グルカンは腸管内で食事由来の糖質や脂質と結合することで消化吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を抑制するほか、腸内細菌のエサとなり腸内環境に影響を与えることで耐糖能を改善すると考えられています。しかし、食生活や人種の違いなどが影響するため、日本人における「大麦の摂取と耐糖能改善効果」の詳しいメカニズムは不明でした。

そこで研究グループは今回、大麦が日本人の腸内環境と耐糖能に与える影響を定量的に評価することを目的に、研究を実施しました。

大麦が個人の腸内環境に一部依存するかたちで耐糖能を改善

日本人の成人24人を対象に、試験品(大麦30%配合の雑穀ご飯)とプラセボ(大麦を含まない雑穀ご飯)を、それぞれ4週間摂取してもらい、プラセボまたは試験品摂取前後で経口ブドウ糖負荷試験による耐糖能の測定、便から腸内細菌叢や腸内代謝物質の測定を行い、これらのデータを統合解析しました。

その結果、大麦摂取により、内臓脂肪面積と負の相関がある「Blautia菌」、酪酸産生菌の一種「Agathobacter菌」が増加したほか、血糖値改善効果が報告されている「アゼライン酸」などの代謝物質が増加しました。また、もともと耐糖能が低かった被験者は大麦摂取により耐糖能が改善。大麦で耐糖能が改善した人ほど、酪酸産生菌の一種「Anaerostipes菌」が増加していたそうです。

以上の結果から、大麦が日本人の腸内環境を変化させ、個人の腸内環境に一部依存するかたちで耐糖能改善効果を示すことが明らかになりました。

「腸内環境パターンの層別化」に基づき健康を促進する商品の開発目指す

今回の研究により、大麦が日本人の腸内環境に対して与える影響、耐糖能改善効果における腸内環境との関連性が一部明らかになりました。

「さらに研究を進めることで、腸内環境の制御を介した血糖値の制御方法の開発が期待される。また、腸内環境の個人差に着目した研究データが蓄積されることで、腸内環境パターンの層別化に基づいて健康を促進する商品開発につながることが期待される」と、研究グループは述べています。

(IBDプラス編集部)

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