IBD患者さんのプライバシーを保護しながら行う観察研究開始、デジタル技術活用で

ニュース2022/12/8

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プライバシーを保護しながら治療や症状に関する主観的評価を収集

千葉⼤学医学部附属病院とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、ePROを実現する「SmartPRO(R)」と、データを秘匿化したまま分析を⾏い結果のみを出⼒する「析秘(R)」を活⽤することで、患者さんのプライバシーを保護したままでの炎症性腸疾患(IBD)に関する新たな知⾒獲得と、それによる患者さんのQOL(生活の質)向上を⽬指す新たなスタイルの観察研究を2022年12月より開始したと発表しました。なお、ePROと秘密計算を活⽤したIBDの観察研究は⽇本初となります。

ePRO(electric Patient-reported-outcome)とは、スマートフォンなどを活⽤して電⼦的に⾏う治療経過や症状に関する患者さんの主観的評価のことを指します。両者は2021年より、機密性の⾼い臨床データなどの安全な利活⽤に関する検討を進めています。今回その⼀環として、若年層に好発が⽬⽴つIBDの観察研究を連携して行うとしています。

従来、IBDの観察研究は、2〜3か⽉に1回程度の診察で収集した臨床所⾒をもとに進められてきました。しかし、⽇々の症状を把握することの難しさや、医師にも伝えづらい⽇常⽣活などの情報提供に伴う患者さんの⼼理的な負担が課題でした。

同研究では、デジタル技術で患者さんのプライバシーを保護したうえで、PROの収集・分析を実現することで、IBDの新たな知⾒獲得と患者さんのQOL向上を⽬指すとしています。

分析結果は患者さん自身にフィードバック可、収集データは治療開発などに活用

研究に参加する患者さんは「SmartPRO」を使って⽇々の体調変化などプライベートな内容を、⾃⾝のスマートフォンから回答します。収集された回答は「析秘」によって医師や研究員にも⽒名や年齢などの個⼈情報や回答内容が秘匿化された状態で分析され、結果のみが医師や研究員にフィードバックされ、新たな治療法の開発などに役⽴てられます。

なお、同研究ではNTT Comのデザイン部⾨との連携で、患者さんへ分析結果をフィードバックする⼿段の提供に加え、臨床所⾒とPROを秘匿化したまま横断的に分析することや、複数の施設から収集された臨床所⾒とPROを秘匿化したまま分析する多施設共同研究も実施予定ということです。

千葉⼤学病院は「同研究成果を学会などで発表することで、IBDの治療品質や患者さんのQOL向上に貢献していく」と述べ、NTT Comは「同研究で利⽤するシステムを他の医療機関に提供することで、⾼度な医療技術の開発・評価などに寄与していく」と述べています。

(IBDプラス編集部)

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