日本人における「疾患リスク評価のための腸内細菌叢のタイプ分類方法」が特許取得
個人差が大きく難しいとされていた腸内細菌叢の評価の「一般化」が可能に
京都府立医科大学、摂南大学、株式会社プリメディカは、三者共同研究の成果として特許出願していた「疾患リスク評価のための腸内細菌叢のタイプ分類方法」が特許を取得したと発表しました。
近年、分子生物学的手法を駆使した腸内細菌叢解析の発達により、腸内細菌叢の全容が明らかにされつつあり、さまざまな疾病との関わりも示唆されています。しかし、腸内に約1,000種類、約100兆個存在するとされ、個人差も大きい腸内細菌の評価を一般化することは難しいという課題がありました。
しかし、腸内細菌叢のタイプ分類を行うことで、各タイプにおける疾患との関連度評価など、網羅的に腸内細菌叢を評価することが可能になったとしています。
日本人の腸内細菌叢のパターンを5つのタイプに定義
また、従来の腸内細菌叢の研究では、人種や食生活など背景にある環境因子の影響を大きく受けることや、測定においても前処理技術などの違いにより結果の解釈が分かれることが課題となっていました。
そこで同研究では、全く同じ手法で腸内細菌叢を解析した臨床研究で得られた1,803人分の日本人の健常者と疾病有病者の腸内細菌叢データをAI(機械学習)で統合解析し、日本人に最適なエンテロタイプ(腸内細菌のパターン)を5つのタイプ(Type A~E)に定義したということです。
腸内細菌叢研究の標準的評価指標となることに期待
研究グループは「今後は引き続き研究を⾏いながらさらなるデータを収集し、各タイプ分類と栄養素摂取量との関連性など、さらに知見を深める。また、本発明が腸内細菌叢改善効果のある機能性食品等の研究など、あらゆる腸内細菌叢研究における標準的な評価指標として幅広く⽤いられることを目指す」と、述べています。
今後、機能性食品の研究など、あらゆる研究における評価指標としての応用が期待されるとのことです。
(IBDプラス編集部)
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