食物繊維が腸などで「免疫機能」を増進させる新たなメカニズムを発見
水溶性食物繊維の摂取が粘膜組織での「IgA産生」に与える影響は?
石川県立大学の研究グループは、食物繊維が粘膜免疫機能の増進に役立つメカニズムを発見したと発表しました。
健康維持のためには、病気を防ぐための抗体が重要な働きをしており、その一種である「免疫グロブリンA(IgA)」は、腸管などヒトの粘膜において毒素や病原体の侵入を防ぐ粘膜バリアとして重要な役割を果たしています。
研究グループは今回、3種類の異なる水溶性食物繊維をサンプルとして「水溶性食物繊維」の摂取が、腸や肺などの粘膜組織でのIgAの産生にどのような影響を与えるのかについて、普通のマウスと免疫機能に関わるT細胞が欠損したマウスを用いて比較検討しました。
今まで知られていなかった腸管IgAの産生経路が存在することなどが判明
これまで、食物繊維による粘膜IgAの産生に関する誘導メカニズムは、腸内細菌によって食物繊維から変換された短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸など)を介して誘導されるという説が一般的でしたが、同研究により、腸管IgAの産生に「短鎖脂肪酸を介さない経路が存在すること」「肺におけるIgA産生には短鎖脂肪酸とT細胞が必要」ということが明らかになりました。
健康への関心が世界的に広がる中、食物繊維素材は健康への有効性から年々需要が増加しています。「今回の結果は、食物繊維素材が免疫機能に与える影響を解明する上で重要な知見となる」と、研究グループは述べています。
(IBDプラス編集部)
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