腸炎の発症から治癒する過程に、脂質メディエーターが関与

ニュース2018/3/23

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腸炎を起こしたマウスを、段階別に解析

肉や卵、胡麻油などに多く含まれるn-6系(オメガ6)脂肪酸は、アレルギーなどの炎症促進と関連があるとされています。また、青魚や亜麻仁油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系(オメガ3)脂肪酸には炎症を抑える働きがあるとされています。この炎症に関わる働きを担っているのが、脂肪酸が代謝されてできる「脂質メディエーター」です。

研究装置の開発が進んだおかげで、現在、200から300種類の脂質メディエーターが見つかっており、これらの脂質メディエーターが腸炎に関与していることがわかってきました。しかし、腸炎が起こって潰瘍ができるまでのそれぞれの段階で、脂質メディエーターがどのように関わっているのかは、これまで解明されていませんでした。東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループは、腸炎を発生させたマウスを使って、炎症の発症から悪化、その後回復していく過程で、大腸のなかの脂質メディエーターがどのように変化するのかを網羅的に測定しました。

n-3系脂肪酸が、腸炎の治癒に重要な役割

実験では、腸炎を起こしたマウスを、炎症の状態ごとに、悪化初期、最悪化期、回復初期、回復後期の4段階に分けて観察。炎症が起こっている大腸の組織で、58種類の脂質メディエーターについて調べました。その結果、悪化初期と最悪化期には、n-6系脂肪酸由来の脂質メディエーターが増え、n-3系脂肪酸由来の脂質メディエーターは減っていました。一方、腸炎の回復期では、n-3系脂肪酸由来の脂質メディエーターが増えていました。

研究グループは、腸炎の進行とともに脂質メディエーターの種類がダイナミックに変化していることが確認できたとし、この結果がIBDの病態解明に寄与することへの期待をのぞかせています。

(IBDプラス編集部)

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