慢性炎症の新たな予防・治療法開発の基礎となる発見-細胞同士の接着をコレステロールが制御
ニュース | 2018/5/30
謎が多い脂質の働き
人間の体は多くの細胞同士が接着して体の表面を覆うことによって、細菌やウイルスの侵入を防いだり、体のイオンバランスを保っています。細胞同士をつなぎ合わせる構造を“タイトジャンクション”といいます。この形成に関係するタンパク質について多くの研究が行われてきたものの、脂質の働きは明らかにされていませんでした。
潰瘍性大腸炎などの慢性炎症を引き起こすタイトジャンクション
今回、九州大学大学院理学研究院の池ノ内順一教授、システム生命科学府一貫制博士課程3年重富健太(日本学術振興会特別研究員DC1)らの研究により、コレステロールが細胞同士の接着の制御に関わっていることが判明しました。このタイトジャンクションが壊れてしまうと、潰瘍性大腸炎やアトピー性皮膚炎などの慢性炎症の発症につながります。
脂質の役割についてはまだまだ多くの謎が残されていますが、今回の発見は、慢性炎症の新たな予防や治療法の開発の基礎となる知見だと述べています。
(IBDプラス編集部)
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