生薬「青黛」の服用で、40%超の潰瘍性大腸炎患者で有害事象

ニュース2018/6/1

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健康食品としても使用され患者が自己判断で服用するケースもある「青黛」

以前、IBDプラスでも植物由来製品「青黛(せいたい)」が潰瘍性大腸炎(UC)に対して有効であると発表されたことをお伝えしましたが、今回、慶應義塾大学医学部消化器内科のグループが、青黛を服用した潰瘍性大腸炎患者の追跡調査から4割超の患者で服用中に有害事象(※)が認められたと報告がよせられました。これは、今年4月に開催された第104回日本消化器病学会で同グループの福田知広医師が発表したものです。

青黛を服用した潰瘍性大腸炎患者の一部では、心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が異常に上昇し、時には命に危険が及ぶ「肺動脈性肺高血圧症」を発症した事例が報告されています。しかし、青黛は健康食品としても使用されているため、患者が自己判断で服用しているケースもあることから、厚生労働省は2016年12月27日付で関連学会に対して、患者が自己判断で青黛を摂取しないよう指導を求める通知を出しています。

福田医師らは、同グループが行った青黛に関する臨床試験の参加者や、自己判断での服用者など、青黛の服用歴があり、慶應義塾大学病院の消化器内科に通院中の潰瘍性大腸炎患者98人について、青黛服用中の有害事象を調べました。

その結果、青黛による有害事象が全体の44.9%に当たる44人で確認されました(1人で複数の有害事象が認められたものもあるため、実際の有害事象例は68例)。

最も多かった有害事象は?

有害事象別で最も多かったのは、肝機能値が異常値を示す肝機能障害の22例でした(発症時期:内服開始から2~8週後、服用量:0.5~2g/日)。重症化した事例はなく、うち16例では青黛の服用をそのまま続け、6例では中止しましたが、いずれもその後に肝機能値は正常化しています。

それ以外では腹痛が16例(発症時期:内服直後~8週後、服用量:0.5~2g/日)、頭痛が11例(内服直後~4か月後、0.5~4g/日)、吐き気が7例(内服直後~4週後、1~2g/日)、非特異性腸炎が5例(内服1~11か月後、1~2g/日)、下痢が3例(内服直後~4週後、1~4g/日)、感染性胃腸炎(内服開始4週間後、1g/日)、腸重積(内服開始8週間後、2g/日)、肺動脈性肺高血圧症(内服開始6か月後、1g/日)がそれぞれ1例でした。

肝機能障害以外の有害事象もすべてがのちに回復しています。腸管の一部が後方の腸管に引き込まれ、腸管が重なりあってしまう「腸重積(ちょうじゅうせき)」が確認された患者では、内視鏡的整復で回復しています。

最も重い有害事象である肺動脈性肺高血圧症の1例では、青黛を1日2g服用をして4か月目に頭痛が現れたため1日1gに減量。その後、心電図異常や息切れといった症状が認められ、青黛服用開始から6か月目に検査で肺動脈性肺高血圧症と診断され、青黛の服用を中止しました。服用中止から5か月後に肺動脈の血圧値は正常値に回復しました。

今回の研究から福田医師は「青黛の有害事象は内服した期間や量を問わずに起こる可能性がある」と述べ、医師から潰瘍性大腸炎の患者に対し、青黛の服用に伴う危険性を十分に伝える必要があると強調しています。

※有害事象:薬剤などを服用中に起こる好ましくない症状で、薬剤との因果関係が否定できないものすべて(薬剤との因果関係が明確になったものは副作用)。

(IBDプラス編集部)

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