ヒュミラ、日本で初めて「化膿性汗腺炎」の適応追加承認を取得
ニュース | 2019/2/26
IBDと関連があるとされる炎症性皮膚疾患
アッヴィ合同会社とエーザイ株式会社は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)について、化膿性汗腺炎(Hidradenitis Suppurativa:HS)の適応追加承認を2月21日付で取得したことを発表しました。今回の承認により、国内でHSの適応を有する初めての薬剤となるそうです。
HSはIBDとの関連も指摘される、疼痛を伴う慢性的な炎症性皮膚疾患です。赤く腫れあがったおできのようなものが鼠径部、乳房、臀部などに頻発し、進行すると結節、膿瘍、さらには瘻孔になることもあります。また、繰り返すと痕が残ったり、酷いと皮膚移植を伴う手術が必要になったりするなど、患者さんのQOLにも大きく影響します。
日本における疫学については一定の解釈に至っていませんが、海外での有病率は1%との報告があります 。また、疾患の認知度の低さや診断の難しさなどから、海外の報告では確定診断に至るまで平均7年かかっており、乾癬などほかの炎症性皮膚疾患よりも長く、受診回数が多いことも報告されています。
15例中13例で主要評価項目を達成
今回の適応追加承認は国内の臨床第3相試験と海外の臨床試験のデータに基づいたもので、中等症~重症のHS患者さんを対象に、ヒュミラの有効性と安全性を評価しました。国内の臨床試験では、主要評価項目である投与12週後のHiSCR※を達成した患者さんは、15例中13例。投与24週時点で副作用が出たのは15例中6例で、うち2名以上の患者さんに認められた副作用は上咽頭炎、蜂巣炎だったとのことです。
日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野教授の照井正先生は、プレスリリースで「今回の承認は、HSの患者さんにとって大きな一歩となります。ヒュミラがHSの適応を持つことで、患者さんのQOLの向上に大きく貢献することが期待されます」と、述べています。
※HiSCR:Hidradenitis Suppurativa Clinical Responseの略。ベースライン時と比較して膿瘍および炎症性結節数が少なくとも50%減少し、かつ膿瘍数および排膿性瘻孔数が増加していない状態。
(IBDプラス編集部)
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