活動期UCの維持療法としてFDAに承認申請したベドリズマブ皮下投与製剤の審査が完了
ニュース | 2020/1/8
消化管に選択的に作用する生物学的製剤、現在は静注製剤として承認
武田薬品工業株式会社は12月23日、生物学的製剤「ベドリズマブ(製品名:ENTYVIO)」の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請に関し、米国食品医薬品局(FDA)から審査完了報告通知を受領したことを発表しました。
ベドリズマブは、血液中のある種の白血球がもつ「α4β7インテグリン」というタンパク質を狙い撃ちにする生物学的製剤(ヒト化モノクローナル抗体)です。同剤は、消化管の血管およびリンパ節に選択的に発現している「腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)」というタンパク質に、白血球がα4β7インテグリンを介してくっつくのを邪魔します。
α4β7インテグリンをもつ白血球は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。つまり、同剤は、ある種の白血球細胞が消化管組織へ浸潤することを制限することを狙った薬です。今回、皮下投与製剤を申請中のベドリズマブは、現在、静注製剤として承認されています。
FDAと緊密に連携して次のステップへ
審査完了報告通知を受け、今後は、報告通知の詳細を精査し、FDAからの質問事項に対応するステップに進むことになります。なお、今回の報告通知において、FDAからは、生物学的製剤承認申請に用いられた検証試験から得られた臨床データおよびその結論とは関連のない質問が提起されているそうです。
武田薬品は、「当社は、医療関係者や患者さんに治療選択肢を提供することがいかに重要かを理解しており、そのニーズに応えるために継続的にイノベーションと開発を推進しています。当社は引き続きベドリズマブ皮下注射製剤の開発に注力し、FDAと緊密に連携して次のステップに進んでまいります」と、述べています。
(IBDプラス編集部)
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